情報システムの再構築プロジェクトを成功させるには,設定目標,スケジュール,費用などさまざまな要因を満足させなければならない。しかも基幹システムともなれば,全体として一つの主張を持つシステムにならないと再構築の意味がない。たとえ粗削りであっても出来上がったシステムそのものに今までにない,キラリと光る価値が見いだせなくてはならない。そのためにはプロジェクト・マネジャはプロデューサとしての演出をしなければならない。 本記事は日経コンピュータの連載をほぼそのまま再掲したものです。初出から数年が経過しており現在とは状況が異なる部分もありますが,この記事で焦点を当てたITマネジメントの本質は今でも変わりません。 医薬品販売会社のO社では,数年前から基幹情報システムの再構築に取り組んできた。O社は業界では売上高第2位を占め,業界トップのP社とほぼ同じような業態である。こうした環境の中で,単にP社に追いつ