茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで放射性物質が飛散し作業員5人が被曝(ひばく)した事故で、原子力機構は4日、放射性物質が入ったポリ容器などの写真を公開した。ポリ容器は放射線の影響で変色し、もろくなっていることが確認できた。 6月に起きた事故では、保管容器のふたを開けた際、ビニール袋が破裂して中のポリ容器内の放射性物質が飛散した。原子力機構はポリ容器の劣化などで内部にガスが発生し、破裂したとみている。 公開された写真には、二重になったビニール袋が外側に向けて裂けている様子が写っている。ガスの発生により内部の圧力が高まっていたと推測される。ポリ容器の中には樹脂で固められた放射性物質が確認できる。ポリ容器は変色しており、その部分はつかむと割れそうなほど劣化していたという。 原子力機構は放射性物質を取り出し、電子顕微鏡などで詳しい状態を調べるという。(杉本崇)