Shawn Lane。このギタリストの名前を一体どれだけの人が知っているだろうか。早弾きで有名なギタリストというのは何人もいるが、ショーン・レインほど速く、正確で、独創的で、メロディアスな弾き手を私は知らない。ふつう早弾きというと、同じフレーズを繰り返したり、手癖のようなものが多くなるのだが、ショーン・レインの場合はそれはあてはまらない。すべてのフレーズがオリジナリティにあふれ、常に新鮮なのだ。 ジミ・ヘンドリクスの「パープル・ヘイズ」を演奏中のショーン・レインは、ゾーンの状態に入っているように見える。指の動きは目で追うことができないほど早く、インプロヴィゼーションは神がかっている。頭で考えていたら、これほどの指の動きは不可能ではないだろうか。まるで無意識の領域から湧き出るアイディアを、蛇口を全開にして注ぎ込んでいるようだ。 これほどの天才なのに、残念ながら録音として残されたものは少ない。