大村秀章知事のリコール(解職請求)を巡る署名不正問題で、名古屋市の河村たかし市長は18日、県警の捜査終了後に市選挙管理委員会に返還される署名簿について市独自で再度調査し、真相を徹底究明する考えを明らかにした。市総務局を通じ選管側に署名簿の保全を求めたという。市議会総務環境委員会で答弁した。 河村市長はまた、インターネット上で寄付…
愛知県の大村秀章知事に対するリコール(解職請求)署名不正事件は、無残な格好の悪さをさらしている。署名活動で不正を行うという、民主主義そのものに対するイメージダウンに、まれに見る「貢献」をした。 紛れもないこの運動の中心人物の一人、河村たかし名古屋市長は、今後の身の振り方について、「今出馬を断念したら、不正署名運動に関与したと認めることになるから」という理由で来期に向けて市長選に出馬する意向だと一部で報じられた。しかし、「自分は関与していない」という、保身の状況証拠づくりのために再出馬するのは、政治のあからさまな私物化ではにゃあか。おりしも市民団体が、河村市長に対して政治的及び道義的責任を問い、辞任を求める決議を出した。 河村市長は、あれほど率先して運動を引っ張ってきたにもかかわらず、「私は中心人物ではない」と距離感のある言い訳をしている。「愛知100万人リコールの会」のチラシに会長の高須克
1月6日に発生した米国議会議事堂への暴徒の乱入は、全ての米国民にとりショッキングな出来事であった。 事件後、暴徒の正体、そして警備体制の問題が議論されているが、捜査が進展するにつれ、さまざまな事実が分かってきた。当日の写真・映像が大量に存在する中、米連邦捜査局(FBI)は最高で1000ドル(約10万円)の懸賞金を提示し、容疑者の情報提供を促した。この結果、既に150人以上の逮捕者が出ている。また、民主・共和両党の本部にパイプ爆弾を仕掛けたとみられる容疑者情報の提供には、10万ドル(約1000万円)の懸賞金を提示している。 当日、トランプ大統領(当時)の集会には、全国から数万人が集まった。ワシ…
東日本大震災から10年、発災時や復興の状況を語る立憲民主党の枝野幸男代表=東京都千代田区の衆院第1議員会館でで2021年1月12日、藤井太郎撮影 2011年に東日本大震災が起きたとき、官房長官だった枝野幸男・立憲民主党代表(56)は「ただちに健康に影響がない」と発言し、批判された。それについて、枝野さんは毎日新聞のインタビューに「正しく伝えられていない」と反論する。リスクに直面したとき、どんな情報発信が求められるのか。震災から10年を前に福島、宮城両県で震度6強を記録する余震が起きるなど、被災地の平穏はなかなか訪れない。被災地に今必要なことは何か。インタビューの2回目を紹介する。【聞き手・永山悦子/オピニオングループ】 ――東京電力福島第1原発事故が起き、官房長官会見で「ただちに健康に影響がない」と発言して批判されました。リスクに関する情報発信は、どうあるべきでしょうか。 ◆あの発言につい
時まさにコロナ禍である。ここで自民党の右派議員たちが繰り出そうとしているのが、刑法の改正により、日本国旗を侮辱目的で破くことなどを罰する「国旗損壊罪」の新設であった。「え、今……?」と絶句したのは記者だけではあるまい。同じ自民党の参院議員、西田昌司さん(62)や民族派団体「一水会」代表の木村三浩さん(64)も首をひねっている。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 自民党の議員連盟「保守団結の会」で代表世話人を務める城内実衆院議員や、同会顧問の高市早苗前総務相らが新設を目指す「国旗損壊罪」とは、「日本国を侮辱する目的で国旗を損壊・除去・汚損した人は、2年以下の懲役か20万円以下の罰金を科す」というものだ。 なぜ必要なのか? 刑法は92条で「外国国章損壊罪」を定めている。それなのに日本国旗の損壊罪はない。米国やフランス、ドイツ、イタリア、中国などには自国国旗の損壊罪があり、これは独立国として
東京都内のホテルを出て車に乗り込む日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(中央)=東京都千代田区で2021年2月17日午前11時44分、幾島健太郎撮影 女性蔑視発言で辞任する東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任について、候補者検討委員会は五輪担当相の橋本聖子氏(56)に候補を一本化した。新会長を巡っては、関係者間で思惑が交錯し、候補者名が浮かんでは消えた。土壇場での混沌(こんとん)としたトップ交代劇の先には、多くの難題が待つ。【田原和宏、松本晃、飼手勇介、小林悠太】 「絶対的なシナリオを描ける者いない」 17日午後の衆院予算委員会中、後任候補を巡る情報が駆け巡っていた。組織委の候補者検討委員会が午前中に開いた会合で、候補者を橋本氏に一本化していた。委員室を出た橋本氏は報道陣にもみくちゃにされ、就任打診の有無を問われると「予算委に出ていたので(分かりま
ブックカフェで開かれた「汚れた桜『桜を見る会』疑惑に迫った49日」の出版記念イベント。取材班の記者が約60人の読者と語り合った=東京都渋谷区で2020年1月29日午後7時27分、喜屋武真之介撮影 取材班一同、ビックリしているというのが正直なところだ。第20回「石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞」の公共奉仕部門大賞に、統合デジタル取材センター取材班による「『桜を見る会』追及報道と『汚れた桜「桜を見る会」疑惑に迫った49日』の出版」が選ばれたのだ。1面トップを飾るような特ダネは全くなかった。特ダネがないのに受賞、というケースはまれかもしれない。授賞理由は「ソーシャルメディアの活用や書籍刊行イベントの記事化など、常に市民社会を巻き込んで世論の『輿論(よろん)化』に努めた。継続的な報道の力を示した例として公共奉仕部門の大賞に値する」というものだった。受賞の意味を改めて考えた。【江畑佳明/統合デ
東京オリンピック・パラリンピックの選手村村長の就任記者会見を終えて記念写真に納まる川淵三郎氏(右)と森喜朗氏=東京都中央区で2020年2月、円谷美晶撮影 女性蔑視発言の責任を取って周囲に辞意を伝えた東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任として、元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)が就任する見通しとなった。千葉市内で11日午後、報道陣の取材に応じた川淵氏との主なやり取りは次の通り。【小林悠太】 ――森さんとの会談ではどういう話があったのか。 ◆森さんは「いろいろな反響をみて、辞めたい。川淵さんにお願いしたい」と言われた。僕としては家族が反対で、何としても断ってほしいと言われていた。僕なりに(会長の)腹案を持っていったんだけど、発言以来、森さんの家族も参っている。森さん自身も落ち込んでいる。「自分は辞めて新しい人に代わってもらい、国民的行事を何とか成功させた
1936年ベルリン五輪の表彰式の国旗掲揚で敬礼するヒトラー(中央)。スタンドの観衆もナチス式の敬礼をしている=ベルリンのオリンピックスタジアムで1936年8月、高田正雄本社特派員撮影 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言を巡って、「彼だけに攻撃が集中すると隠されてしまうものがある」と危惧する人がいる。7年越しで五輪反対キャンペーンを展開してきた鵜飼哲・一橋大名誉教授(フランス現代思想)だ。オリンピックには、市民の生活を脅かす「五輪ファシズム」が根底にあると喝破する。哲学者ジャック・デリダの愛弟子として知られる鵜飼さんは、近代五輪の父と言われるフランスのクーベルタン男爵の思想がはらむ危険性にも厳しい目を向けてきた。五輪ファシズムとは何か?【聞き手・上東麻子/統合デジタル取材センター】 始まりは宗教的祭儀 ――クーベルタン思想がはらむ危険性とは? ◆オリンピック
東京オリンピック・パラリンピックは本来の五輪の理念を置き去りにし、ひたすら開催へ向け、突き進んでいる。元日本オリンピック委員会(JOC)事務局長で1998年長野冬季五輪などに携わってきた笠原一也氏(82)にはそう見える。「このままでは東京で五輪の理念が壊れてしまったと言われかねない」と警鐘を鳴らす。【聞き手・村上正】 新型コロナウイルスの感染が拡大し、安倍晋三首相(当時)が昨年3月に1年程度の延期を申し出た時から違和感があった。何が何でも開催する。そういう強い決意がにじんでいた。延期を経てまで開催する意義について議論は深まっていたのだろうか。 五輪憲章は「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すため、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てる」とうたっている。記録や勝敗を追い求める競技大会とは違う。「スポーツを通じ若者を教育し、平和でより良い世界の構築に貢献する」ことを目的とす
国が新型コロナウイルス拡大に伴い10都府県で3月7日まで延長した緊急事態宣言を巡り、愛知、岐阜の両県を軸に前倒し解除の検討に入ったことについて、愛知県の大村秀章知事は8日の記者会見で「望ましいことだ」と述べ、解除後の段階的な規制緩和に向け、検討を進めていることを明らかにした。 全県の飲食店に対し営業を午後8時(酒の提供は同…
住民による直接請求制度への信頼を揺るがしかねない深刻な事態である。 愛知県の大村秀章知事の解職請求(リコール)を目指した運動で、提出された署名の約8割が無効とみられる不正が判明した。 事実とすれば、民意の大規模な偽造と言える行為だ。県選挙管理委員会は、刑事告発も含めた対応を検討している。 リコール署名活動は、大村知事の解職を求めて行われ、美容外科院長の高須克弥氏が代表を務めた。解職の是非を問う住民投票を行うためには、約87万人の署名が必要だった。提出は約43万人分にとどまったため、リコール自体は不成立だった。 だが、署名に不正があったとの情報があり、県選管が調査した。その結果、署名の83%の36万人分が無効とみられると判断した。筆跡などから同じ人が何回も書いた疑いのある署名が、そのうち約9割に達した。選挙人名簿に登録のない署名も大量にみつかった。 署名活動は、芸術祭「あいちトリエンナーレ2
米国務省が中国による新疆ウイグル自治区での行動を「ジェノサイド(大量虐殺)」と認定したことを巡り、外務省の担当者は26日の自民党外交部会で「日本として『ジェノサイド』とは認めていない」との認識を示した。出席した自民党議員からは「日本の姿勢は弱い」などの指摘が相次いだが、外務省側は「人権問題で後ろ向きという批判は当たらない。関係国と連携しながら対応していく」と理解を求めた。 米国のポンペオ前国務長官は退任直前の19日、少数民族ウイグル族などに「ジェノサイドが今も行われていると確信している」と非難した。バイデン政権で次期国務長官に指名されたブリンケン氏もこうした見解に賛意を示したが、日本政府は「人権状況について懸念をもって注視している」(加藤勝信官房長官)との表明にとどめている。
参院議院運営委員会で「桜を見る会」前夜祭の費用補塡問題についての共産党の田村智子氏の質問に答える安倍晋三前首相=国会内で2020年12月25日午後4時19分、竹内紀臣撮影 立憲民主、共産など野党4党でつくる「桜を見る会」追及本部は28日、桜を見る会前夜祭に関する明細書などを提示するよう安倍晋三前首相宛てに文書を送付した。4党は25日の衆参両院議院運営委員会で安倍氏が答弁した内容では前夜祭を巡る疑惑解明が進まなかったと指摘。真相解明に向け、年明けの通常国会でも追及を続ける方針だ。 文書は衆参の議院運営委員長にも送付。前夜祭の会場となったホテルが発行した前夜祭の明細書▽ホテルが安倍氏側に発行した領収書――の提出を求めたほか、安倍氏は過去の国会答弁のどの箇所を訂正したいのか▽訂正した安倍晋三後援会の政治資金収支報告書に、前夜祭への費用補塡(ほてん)の原資は記載されているか――について1月初旬まで
安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜祭について、費用を後援会が補塡(ほてん)していたにもかかわらず、安倍氏は首相在任中、「補塡はない」などと事実に反する国会答弁を少なくとも118回繰り返してきた。配川博之・公設第1秘書は政治資金規正法違反で100万円の罰金刑を受け、安倍氏自身は不起訴。12月24日の記者会見と25日の国会答弁では「道義的責任を痛感している」などと謝罪し、経緯を説明したが、本当にその言葉に見合った内容だったのか。首相記者会見で安倍氏の言動をウオッチし続けてきたフリーランスジャーナリストたちに聞いた。【野村房代、丸山博/統合デジタル取材センター】 会見出席を許されたのは記者クラブ加盟社だけ 「国民から見て『一点の曇りもないように』説明したい、と強調する割には、結局のところ何も説明していない記者会見であり、国会答弁でしたね。相変わらず聞かれたことに誠実に答えない姿勢
記者会見する菅義偉首相(左)。右は新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=首相官邸で2020年12月25日午後6時32分、竹内幹撮影 菅義偉首相は25日、首相官邸で記者会見した。新型コロナウイルスの感染が再び広がっている現状を踏まえ「静かな年末年始を過ごしていただきたい。できる限り会合は控えて、感染拡大を食い止めることができるように協力をお願いする」と国民に呼びかけた。南アフリカでの新型コロナの変異種確認を受け、同国に滞在歴のある外国人を入国拒否の対象とすることも表明した。 首相「国民への説明が十分ではなかった面があった」 首相は会見で、14日夜に自民党の二階俊博幹事長ら8人程度で会…
令和2年度内閣及び内閣府永年勤続者表彰式に臨む菅義偉首相(左)と杉田和博官房副長官=首相官邸で2020年12月22日午後2時16分、竹内幹撮影 菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した問題が10月1日に発覚してからまもなく3カ月。政府は内閣府日本学術会議事務局が2018年11月にまとめた「首相に推薦の通り会員を任命する義務はない」とする見解を根拠に正当化する一方、拒否した理由の説明は拒み続けている。ところが重要な見解の作成過程で、「首相の任命行為は形式的なものと解する」とした従来の政府解釈が草案から削られていたことが内部文書で判明した。杉田和博官房副長官の人事介入への関与も裏付ける、一連の膨大な文書を記者が読み解くと、人事介入の正当化ありきで見解をまとめていた実態が浮かび上がった。【岩崎歩/科学環境部】 18年の人事介入が契機と明記 内部文書は、政府が12月、田村智子参院議員
河野太郎行政改革担当相は25日、日本記者クラブで記者会見し、菅義偉首相がインターネット番組で「ガースーです」と愛称で自己紹介して批判されたことについて、「ネットでガースーと言われているから『ガースーです』と言って何か問題があるのか」と述べて首相を擁護した。 河野氏は「私が『ノーコーです』と自己紹介して何…
安倍晋三前首相の国会での説明には、地元・山口県下関市の市民からも不満の声が上がった。飲食店を経営する女性(75)は「地元選出の総理として誇りに思っていたが、あれだけ騒がれながら事実を知ったのは報道後というのにはあきれた。これで説明責任を果たして幕引きというのでは、誰も納得しないのでは」と話す。 「秘書が数百万円も勝手に使い、報告していないなんてあり得ない。このま…
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く