ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/kimura (5)

  • 愛国化する世界──蓮舫氏の二重国籍とフランスの「国籍と名前」論争

    二重国籍なら政権はとれない(15日、民進党の新代表に選出された蓮舫代表代行) Toru Hanai-REUTERS <保守系メディアに突っ込まれては二転三転した蓮舫の対応が、日人の要件を高くしてしまったとしたらその責任は大きい> 民進党代表選に立候補している蓮舫代表代行(48)が13日、台湾当局から連絡があったとして「台湾籍が残っていた」ことを認め、謝罪した。日国憲法も公職選挙法も日国籍があれば選挙権と被選挙権を付与する一方で、重国籍者を排除していない。重国籍者を排除すれば、歴史に翻弄され、国と国とのはざまに落ち込んだ日国籍取得者に「日人」としての権利を認めないことになるからだ。 台湾出身の父親と日人の母親を持ち、日で生まれ育った蓮舫氏は1984年の国籍法改正に合わせて17歳で日国籍を取得した。それまで日は父系血統主義をとっていたが、父母両系血統主義に改められ、特例として

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  • EU離脱派勝利が示す国民投票の怖さとキャメロンの罪

    欧州連合(EU)残留・離脱を問う英国の国民投票は衝撃的な「離脱」を選択した。離脱派の英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首はいったん敗北を認めたが、6月24日未明、「夜が明けたら英国はEUから独立する」と宣言した。 しかし離脱派のギゼラ・スチュアート労働党下院議員は驚きを隠せなかった。離脱派にとってもこれほどまでに完璧な勝利は予想していなかった。離脱1741万742票(51.9%)、残留1614万1241票(48.1%)。126万9501票の大差がついた。 【参考記事】英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か 移民の増加、規制だらけのEUに強い不満を抱きながら、英国は最後の最後に現実的な判断を下すと筆者は信じて疑わなかった。政治家も、世論調査会社とブックメーカー(賭け屋)のアナリストも、市場も、最後は「残留」と読んでいたはずだ。 しかし、英国民は経済的な打撃を覚悟の上で、EUを

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  • 英国のEU離脱問題、ハッピーエンドは幻か

    欧州連合(EU)にさらに権限を委譲すべきだと答えた英国人はわずか6%、それに対してEUから権限を取り戻すべきだと回答したのは65%――英国のEU残留・離脱を問う国民投票を約2週間後に控え、こんな衝撃的なアンケート結果が米ピュー研究所から発表された。(6月7日) EU加盟国のうち10カ国を選んで行われた調査では、EUに最も好感を抱いているポーランドやハンガリーでさえ、EUへのさらなる権限委譲には各9%、17%しか同意せず、各38%、40%がEUから権限を取り戻すべきだと考えていた。 EUに幻想を抱く人より幻滅を感じる人が2008年の世界金融危機とその後の欧州債務危機を境に欧州全体で急激に増えている。英国と欧州、いや世界の歴史を変える運命の投票日が近づくにつれ、英国内では悲観論が強まっている。日に日に暗雲が広がっているという印象だ。 世論調査会社Yougovは国民投票の投票率が結果に及ぼす影響

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  • オーストリアが紙一重で「極右」大統領を阻止 右翼ポピュリズムが欧州を徘徊する 

    オーストリア大統領選の決選投票が22日行われ、右翼ポピュリズム政党・自由党のノルベルト・ホーファー国民議会(下院)第3議長(45)が緑の党出身のアレクサンダー・ファンデアベレン元党首(72)に49.7%対50.3%の僅差で敗れた。票数にすると、222万3458票対225万4484票。3万1026票という紙一重の差だった。 「自由」の2文字が党名に入っているものの、自由党はもともと旧ナチ党員を主な支持層として組織された経緯から「極右」と称される。欧州連合(EU)初の「極右」大統領の誕生は民意の結集で何とか阻止できたが、自由党が50%近い票を集めるのは初めて。大きな衝撃が欧州を突き抜けた。 投票率は72.7%。即日開票の結果、ホーファーが得票率51.9%で14万4千票リード。しかし約70万票の不在者投票が残っていたため23日、不在者投票の開票が行われた。両親がソ連から逃れた難民だったファンデア

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  • ベルギーの連続テロで非常事態に入ったテロ主戦場・欧州

    死者32人、負傷者340人を出したベルギーのブリュッセル国際空港と地下鉄マルベーク駅の連続テロは、欧州が「非常事態」に入っている重い現実を私たちに突き付けている。欧州連合(EU)とトルコの難民対策合意(3月18日)を受け、トルコとギリシャの現地取材を終え、29、30日の両日、ブリュッセルに入った。 30日、EU・インド首脳会議に出席したインドの首相モディがマルベーク駅のテロ現場で白い花輪を手向け、約1分の黙祷を捧げた。白バイの隊列がサイレンを鳴り響かせて先導する。道路は閉鎖され、2台の大型バスが狙撃を阻む「壁」を築くまで、モディは車から降りてこなかった。ブリュッセルの地下鉄駅や街中に、自動小銃で武装した治安部隊がテロを警戒して展開している。 ブリュッセルの地下鉄駅でテロ犠牲者に花を手向けるインドのモディ首相 Masato Kimura 治安部隊にカメラを向けると、呼びつけられて身分証明書の

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