「自社の成果物をOSSとして公開しよう」――何に気を付けるべき?:いまさら聞けないOSSの基礎知識(3) ベンダーロックインからの解放、そして企業ブランディングへ――OSS利用の変遷を振り返る 2000年代初めからオープンソースソフトウェア(OSS)はさまざまな目的で活用されるようになりましたが、企業における最も大きな目的は「コスト削減」や「ベンダーロックインからの解放」でした。もちろん、インターネットでダウンロードすればすぐに利用できるため、導入費用ゼロのOSSはそうした点でも注目されました。当時は開発元の戦略で、稼働するOSやミドルウェアを限定したり、垂直統合型の構成にしたりすることでユーザーをロックインしていた商用ソフトウェアのベンダーが多く存在していたため、そうした制約から逃れたいというユーザー企業の要望にも合致していました。 2010年代に入ると、コンピュータの性能向上やインター