高級食材の「アワビ」が、大阪湾の淀川河口近くで生育していることが分かった。従来、大阪府内では和歌山県境にある岬町の海岸などで採られていたが、淀川河口付近で確認されたのは初めて。食用として安全であることも証明され、味も上々。淀川の浄化などがアワビの生育を支えているとみられている。ただ、現状では漁業権の問題から商業ベースにのせるのは難しいが、関係者は「いつか大阪湾アワビを特産品にできれば」と夢を抱いている。(安田奈緒美)大阪湾アワビは「歯応え十分」 6月19日、大阪市中央区の浪速割烹「●(=品の口がそれぞれ七)川(きがわ)」で“試食会”が開かれた。参加した大阪商工会議所の職員や、地元の漁師らが期待に満ちたまなざしを向けていたのは「大阪湾アワビ」。主人の上野修さんがまず「刺し身」を出すと、「潮の味がする」「歯応えがある」と舌鼓を打つ。 続いて「アワビのステーキ」。肉厚のアワビのもっちりとした食感