過労死等の予防には、せめて、毎日、6時間以上の睡眠時間を確保すること(写真/getty images)この記事の写真をすべて見る 過労死というと、最近の報道などにより長時間労働や職場環境のストレスなどによる「精神障害」から自殺に追い詰められるイメージが強いのではないだろうか。過労死の引き金には、もう一つ「脳血管・心臓疾患」も認定されている。11月は「過労死等防止啓発月間」。「過労死等」の背景や現状を、過労死対策に取り組む産業医に取材した。 * * * 過労死は医学用語や病名ではなく、社会的に認知された事象として作られた言葉であり、国の労災補償として救済する制度がある。過労死の言葉が使われるようになったのは高度経済成長時代であり、働き盛りの人が、急に亡くなり、その背景に長時間労働や業務上の強いストレスがあったことが医師や研究者に認識された。 産業保健が専門で過労死に関しての論文も多数ある