研究室で実験動物「ICEマウス」を手にする慶応大医学部の早野元詞特任講師=東京都新宿区で2024年2月15日、幾島健太郎撮影 老化をコントロールできる未来が近づいているという。加齢に伴う病気や身体機能の低下を予防したり、元に戻したりできる可能性が出てきているのだ。近年、米国を中心に研究が急速に拡大している。この分野をリードする世界的権威、デビッド・シンクレア・米ハーバード大教授の研究室にかつて在籍していた早野元詞・慶応大特任講師が「エイジング革命 250歳まで人が生きる日」(朝日新書)を出版した。老化研究の第一線にいる早野さんに、「老いのない未来」とは何かについて語ってもらった。 ――老化とはなんでしょうか。 ◆近年の研究で、老化の一端が明らかになり始めています。細胞は、紫外線や暴飲暴食、不規則な生活習慣などがもたらすストレスがかかると、生命の設計図であるDNAに傷が付きます。この傷自体は