前回は相関係数を導く準備として、統計の数学を用いて回帰直線の式を導きました。今回は前回で準備した要素をもとに、最終的に相関係数を導きます。どうして相関係数というものが登場したかがわかる、小説に例えれば主人公の登場秘話のクライマックスといったところでしょうか。 決定係数 回帰直線の一次式の定数が求まりましたから、回帰直線の式と測定値の間の関係の強さを評価する方法が欲しくなりました。そこで、回帰直線の式によって得られた値の分散と、測定値の分散が近ければ、関係が強いと評価することにします。そのような式を導き出してみましょう。 測定値の集合に、最も良くあてはまる回帰直線が得られたとして、各xi に対応するyの値を(推定値)と書くことにします。 (65.1)-(64.27) ここで、を見てみましょう。 この式の総和部分の第2項は式65.2を代入して推定値を消去できます。 こうして、式65.5の第2項