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ブックマーク / jbpress.ismedia.jp (146)

  • パンドラの箱を開けたギリシャ債務削減交渉

    (2012年1月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ギリシャの交渉担当者は間もなく、同国の膨大な債務負担について債権者と最終合意に達するところかもしれないが、合意の価値は元のギリシャ国債と同様、紙くず同然かもしれない。 BNPパリバ会長の特別顧問を務めるジャン・ルミエール氏と国際金融協会(IIF)のチャールズ・ダラーラ専務理事という2人のベテラン実務家が率いる債権者グループは1月18日、緊迫した議論でギリシャ当局者と一定の方針をまとめた。だが、協議に参加していない少数派の債券保有者が合意内容を拒否する可能性がある。 協議に参加していない民間投資家の存在 ギリシャ国債を保有する複数のヘッジファンドは、自分たちは交渉に参加しておらず、投資家が保有する国債の元を50%削減し、受け取り金利を引き下げることを軸とした「民間部門の関与(PSI)」には同意しないと話している。 彼らによると、やは

  • 2人の「スーパーマリオ」に助けが必要な理由

    (2012年1月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 2人のマリオ――テクノクラートからイタリアの首相になったマリオ・モンティ氏と、欧州中央銀行(ECB)の総裁に就任してまだ間もないマリオ・ドラギ氏――はユーロ圏を救うのだろうか? 答えはノーだ。 しかし、個人の力は違いをもたらし得る。この2人は洗練された実用主義を持ち込んでくれる。そうした実用主義がなければ、欠陥を抱えたユーロ圏という構造は存続できない。 政策立案者たちはこれまで以上に協力的、かつ柔軟になる必要がある。もしユーロが崩壊すれば、その経済的・政治的コストは莫大なものになるため、事態が良い方向に進むことを望まないわけにはいかない。この2人のマリオなら、政策をより生産的な方向に向かわせてくれるかもしれない。 将来を占ううえで、2つの兆候が認められる。 長期資金供給オペに踏み切ったドラギECB総裁 切れ者として評価されるECB新

  • 日本の貿易収支:赤字転落

    (英エコノミスト誌 2012年1月14日号) 半世紀にわたって貿易黒字を出してきた日が赤字に転落した。 不均衡は永遠に続くものではない。1980年代から1990年代にかけて、日の巨額の貿易黒字は、米国や欧州の保護主義者にとって格好の攻撃対象だった。もはや、そうではない。暫定的な試算は、日の貿易収支が2011年に赤字に転じたことを示している。通年では1963年以来初の赤字だ(輸送費を除く)。 日は今も、世界最大の対外純債権国だ。保有資産から得られる所得が貿易赤字を十二分に補っており、おかげで日の経常収支は、国内総生産(GDP)比2%相当の黒字を維持している(2007年の5%からは低下、図参照)。 しかし、経常黒字も今後数年で消滅するかもしれない。果たしてそれは、好ましいことなのか、それとも悪いことなのか? 昨年の貿易赤字は、特に生産活動と輸出を混乱させた地震や津波など、一時的要因を

  • グルジア出身の映画監督オタル・イオセリアニ その自伝的映画『汽車はふたたび故郷へ』が描き出す世界 | JBpress (ジェイビープレス)

    グルジア出身の映画監督オタル・イオセリアニは、1979年にソ連から西側に出て以来、フランスのパリを拠点に映画作りを続けている。 最新作の『汽車はふたたび故郷へ』(2月18日(土)より岩波ホールほか全国順次公開)は、自伝的要素を材料としつつ、ソ連とフランスとの体制の違いを超えて存在する映画製作の不自由をめぐる寓話である。 映画製作の不自由さを描いた自伝的作品

    グルジア出身の映画監督オタル・イオセリアニ その自伝的映画『汽車はふたたび故郷へ』が描き出す世界 | JBpress (ジェイビープレス)
  • 瀕死のコダックと飛躍する富士フイルム

    (英エコノミスト誌 2012年1月14日号) コダックは瀕死の状態にあるが、同社の旧敵、富士フイルムは力強く成長している。なぜか? レーニンは「資家は自分の首をくくるロープを売る」と嘲笑ったと言われる。この引用は偽物かもしれないが、そこには一抹の真実が含まれている。資家はしばしば、自らの事業を破壊する技術を発明するのだ。 イーストマン・コダックは、まさに絵に描いたような好例だ。同社は1975年に、他社に先んじてデジタルカメラを開発した。デジタルカメラの技術と、それに続くカメラにもなるスマートフォンの開発は、コダックの従来のフィルムおよびカメラ生産事業を打ちのめし、瀕死の状態に追いやった。 名門コダックの最期? 振り返ってみると不思議だが、コダックは当時のグーグルだった。1880年に設立されたコダックは、先駆的な技術と革新的なマーケティングで知られていた。「あなたはボタンを押すだけ、あと

  • 医療の実態を知らない「医者だけ儲けさせるな」の声 診療報酬「現状維持」で医療破綻へまっしぐら | JBpress (ジェイビープレス)

    決定を受け、小宮山洋子・厚生労働大臣は「首の皮一枚、髪の毛一でもつながった」とコメントしました。確かに、この改定率ではせいぜい公的医療が「崩壊を招かない」程度の効果しかありません。 苦しい財政の中、民主党が「Manifesto2010」通り「診療報酬の引き上げに引き続き取り組む」という姿勢を示したことは大いに評価すべきでしょう。しかし、診療報酬改定では「今の医療の実態に見合った診療報酬なのか」こそが真剣に議論されるべきだったと思います。 実際に行われた議論はポイントがずれたものでした。それだけではなく、今後も公的医療を維持していくための財源を含めた“質的な改革案”まで踏み込んで議論されることはなかったのです。 医療の実態を無視した提言型政策仕分け 2011年11月22日に、診療報酬に対する「提言型政策仕分け」が開かれました。 議論では、「デフレの影響で物価が下がり、民間給与の動向や公務

    医療の実態を知らない「医者だけ儲けさせるな」の声 診療報酬「現状維持」で医療破綻へまっしぐら | JBpress (ジェイビープレス)
    Tomosugi
    Tomosugi 2012/01/05