シフトの希望日を出さず欠勤し続けたため、退職扱いとされた従業員から地位確認等を求められた事案。就労の意思を欠くとして請求を退けた一審に対し東京高裁は、合意退職の成立を否定したうえで、会社は団交で復職の意思を認識しながらアルバイトを採用していて就労可能だったとして、不就労を使用者の責に帰すべき事由と判断。コロナ禍を勘案して賃金を算出した。 休業は使用者責任 復職を求めて団交 筆者:弁護士 石井 妙子(経営法曹会議) 事案の概要 Xは、Yと期間の定めのないアルバイト契約を締結し、寿司店に勤務していたが、勤務日および勤務時間は「シフト表により定める」とされていた。シフトは、各自が予め希望日を提示し、店長がこれに基づいて決定していたが、平成31年1月以降、Xの希望日は激減し、Xが3月13日以降のシフトを提出せず、その後出勤しなかったため、YはXに4月下旬、社会保険等の資格喪失手続きを開始する旨通知