日高敏隆さん 動物の行動の意味をわかりやすく説明した「ソロモンの指環(ゆびわ)」を翻訳するなど、動物行動学を先駆けて国内に導入し、日本動物行動学会を設立した京都大名誉教授で元滋賀県立大学長の日高敏隆(ひだか・としたか)さんが14日、肺がんのため死去した。79歳だった。葬儀は近親者で営まれた。喪主は妻喜久子さん。後日、「お別れの会」を開催する予定。 東京都生まれ。52年に東京大理学部動物学科を卒業し、57年同大大学院修了。東京農工大教授などを経て、75年に京都大理学部教授に就いた。89年から理学部長。95〜01年に滋賀県立大学の初代学長、01〜07年には総合地球環境学研究所長を務めた。00年には動物行動の生理学的、社会学的基礎を確立したことなどが評価され、南方熊楠賞を受賞した。 少年時代から虫の行動に興味を持ち、研究者になってからはモンシロチョウのオスがメスを見分ける際の「行動」につい