【カイロ伊藤智永、和田浩明】デモ参加者を無差別で殺害する強硬な武力鎮圧を続けるリビアのカダフィ政権は、最高指導者カダフィ大佐の側近や外国に駐在する外交官が次々と辞任するなど身内からの離反に直面している。無差別空爆という暴挙に対する国際的非難も高まる一方だ。近年、米欧諸国との融和路線を取って経済開発を進めてきたカダフィ大佐に退陣を求める内外の圧力は、さらに高まっている。 15日夜に始まった反政府デモの風向きが変わったのは20日だ。東部ベンガジで「稲妻部隊」と呼ばれる治安部隊の一部が武力弾圧を拒否し、カダフィ大佐に忠誠を誓う精鋭部隊と交戦した。ベンガジは同日夜には反政府側の支配下に落ちた。 この日、アラブ連盟のリビア代表が武力弾圧に抗議して辞任した。カダフィ大佐の次男セイフ・アルイスラム氏がテレビ演説で対決姿勢を改めて打ち出した翌21日には、カダフィ大佐の側近であるアブドルジャリル法相も、「過