【北京=大木聖馬】日本人死刑囚3人の刑執行を新たに通告してきた中国には、3月末に1人目の執行を通告した際に「懸念」表明にとどめた鳩山政権が強く反発し、日中関係に大きな影響を及ぼすことはないだろうとの強気の読みがある。 中国は、日本が今回の死刑執行を「人権問題」ととらえ、態度を硬化させる可能性は小さいと見ている。 日中外交筋は、3月29日の赤野光信死刑囚(65)に対する刑の執行通告について、「日本の反応を見るために揚げた観測気球だった」とみる。ここで、日本側は「国民感情への影響を懸念する」と伝えるにとどめ、中国側を非難しなかった。昨年12月、人権問題の観点から自国民の死刑執行に激しく反発した英国政府とは全く異なる対応だった。 同筋によると、これによって、中国は残り3人の死刑囚の刑執行を行える条件が整ったとみなした。1972年の日中国交正常化後、日本人死刑囚の執行が行われてこなかった最大の理由