マイクロソフトのOSは,MS-DOS 2.x以来,UNIXの影響が強いと言われるが,コマンド体系についてはDEC(デジタルイクイップメント社)の影響の方が強いように思う。今回は,コマンド体系の歴史についてトリビア的に触れてみたい。なお,VMS以前のOSについては私も直接触ったわけではないので,間違いがあれば指摘してほしい。 MS-DOSが登場したとき,当時広く使われていたCP/Mとは全く異なるコマンド体系が採用された。CP/Mは,DECのRT-11(同社の16ビット・コンピュータPDP-11専用OS)の影響を強く受けていた。例えばファイル・コピーが「PIP 送り先=送り元」と代入文風になるのはRT-11と同じである。一方,MS-DOSは「copy 送り元 送り先」となり,こちらは同じDECのVMS(同じく32ビット・コンピュータVAX専用OS,後にAlphaやItaniumに移植される)の
