93年夏から一緒に暮らした猫が、死んだ。 手のひらにおさまる子猫で、「はて、ここはどこだろう?」なんてきょとんとした顔していた様子が昨日のことのように思い出されるので、小さな棺に納められた君の亡骸を見ても実感がわかない。 この数日、食欲が無くなり、水も自力では飲めなくなったから寿命が近いと感じたけれど、認めたくなかった。正直心の準備ができていなかった。20年、25年生きる猫もいる。さよならするのはもう少し先かと思っていた。あなた自身の寿命もあるかもしれないし、男の子の方が寿命が短いのかもしれないね。与えられた時間を精一杯生きたことは、たしかに見せてもらいました。 2年くらい前から、最盛期と比べると一回り小さくなって、君はおじいちゃんしていたんだね。首輪、通気性が良いものにしても皮膚が荒れて毛が抜けるようになったから、この数年は首輪外してもらっていたね。亡骸の君をなでて、背中の毛を整えたりし