Werner Hamacher, Afformative, Strike: Benjamin’s ‘Critique of Violence’。いろいろ妄想を招き寄せてとても触発的。ベンヤミン「暴力批判論」をおもに扱って、行為とは言語的であると同時に政治的でもあるという角度から、純粋な暴力(神的暴力)=目的なき手段=純粋な媒介=正義の単独性という一連の概念をメシアニズム抜きで接続しつつ、「暴力批判論」におけるゼネストを言語行為論に転じて、「アフォーマティヴ」という鍵概念を練り上げる。法の外部からその批判=限界を導くのではなく、法を支える条件でありながらその成就を宙に吊る力を「アフォーマティヴ」の語によって指し示す。権力としての法に対する不服従の契機をいかに理論化するか、という話にもつながるのだろうけれど、そもそも言語行為論の構えにはパフォーマティヴィティを受動性として捉える発想があるように