日本でも裁判にまで発展しているが、欧州でも私的録音録画補償金に関する争いは各国で止むことなく続いている。細かな動向まで紹介していると切りがなくなるので最近はあまり取り上げていなかったが、この10月21日に、スペインの裁判所からの私的複製補償金に関する質問に対する回答を示す欧州司法裁判所の判決が出された(abc.esの記事(スペイン語)、publico.esの記事(スペイン語)、arstechnica.comの記事参照)。これにより私的複製の制限と補償金の問題は欧州全域にわたり再燃するものと予想され、この判決は欧州における私的複製問題に関する今後の動向を見る上で極めて重要なものと思うので、ここでその内容を紹介しておきたいと思う。 その判決文(スペイン語)にも書かれている通り、この裁判は、欧州における補償金裁判のお決まりのパターンでスペインの音楽著作権団体がCD-RやDVD-Rなどを販売してい