日本海震源の津波被害想定で自治体に困惑広がる 秋田県 沿岸部に住宅が並ぶ能代市。近くに高台がなく、避難が困難と予想される=秋田県能代市の米代川河口付近 秋田県が公表した日本海を震源とする東日本大震災級の地震と津波の被害想定をめぐり、防災対策を担う市町村が困惑している。高台や高層ビルがなく物理的に避難が難しい地域もあるのに、県は住民の意識向上などソフト対策を求めるだけ。対応を丸投げされた格好の市町村からは、想定の精度や目的にも疑問の声が出ている。(秋田総局・佐藤夏樹) 8月29日、県庁であった市町村担当者向けの被害想定説明会。秋田県能代市防災危機管理室の小山内寿室長は、衝撃的な数字を突き付けられた。 県が示した想定によると、能代市には地震発生後27分で、最大11.4メートルの津波が襲来する。最悪で死者は3157人に上る。沿岸部に市役所や病院などの主要施設が集中し、近くに高台も高層ビルもな