東京電力福島第1原発が立地し、原発事故で大半が帰還困難区域の福島県双葉町は21日、2カ所に設置していた原子力PR看板の撤去を始めた。町民に募集した標語を掲げ、原発との共生を目指した町の象徴だった。工期は来年1月10日まで。将来の展示も視野に復元可能な形で保管する。 国道6号に面した町体育館前の看板(1988年設置)の撤去に着手。作業員が高所作業車に乗り、看板の表裏にはめ込まれた「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かなくらし」のアクリル製の文字板を取り外した。 小学生のときに「明るい未来」の標語を考え、現地保存を求めてきた大沼勇治さん(39)が作業を見守った。妻と2人で「撤去が復興?」「過去は消せず」と書いた紙を手に「悔しい。悲しい歴史、痛みを共有し、伝えるために現地で残してほしかった。将来、必ず復元・展示されるよう注視し、見届ける」と語った。 町体育館前の作業は数日