県は10日、果実の害虫であるカメムシ類のチャバネアオカメムシが県内全域で大量発生しており、ナシへの被害が懸念されるとして、病害虫発生予察注意報を発令した。カメムシの注意報は2年ぶり。県は「これから活動が活発になるので、早期発見、早期防除を」と呼び掛けている。 県病害虫防除所(熊谷市)によると、4月1日〜6月初旬にかけ、殺虫わなによる調査をしたところ、誘殺数は寄居町のヒノキで平年の3・8倍、久喜市のナシで平年の8・2倍となった。さらに調査のために設置している「ナシ予察灯」を調べたところ、春日部市は平年より8日早い5月2日、上里町では平年より16日早い4月30日にそれぞれ初誘殺を確認した。 今春はカメムシの好むスギやヒノキの花粉によってできる実が少なく、餌を求めてナシに飛来していることが考えられるという。防除所は「カメムシに果汁を吸われたナシはくぼみができた状態になり、商品価値が失われる」