心を病んだ天才女子高生が兵士らを刺し殺し撃ち殺す血まみれバイオレンス学園アクション、といういかにもありがちな題材なのに、アタマからシッポまで押井さんらしさが詰まった映画。それが25日から公開中の押井守監督による実写作品「東京無国籍少女」です。以後、物語の細部に触れている部分がありますのでお気をつけ下さい(オチはばらしてません。とても「押井さんらしい」オチですけど)。 押井さんらしさは、まずアクションがなかなか始まらないこと。トイレで絡んできたいじめっ子3人(押井さんいわく「イジメ3悪」)をモップの柄で撃退したり、ネチネチした男性教師の首にパレットナイフを押し当てたりするくらい。アクションはまだかという観客の期待をよそに、主人公・藍は暗い顔をして誰とも口をきかず、昼はデッサン、夜は巨大なオブジェ制作に打ち込むばかりです。「前半を耐えることができれば面白い映画のはず。たとえ前半で落ちて(←寝て