国連開発計画(UNDP)が2021年に発表した調査結果によると、世界の過半数の人たちが、気候変動は「世界的な緊急事態」だと考えている。そして、多くの人にとってこれは、世界的な問題というだけではなく、自らのメンタルヘルスをむしばむ問題でもある。 自分自身を取り巻く環境や母国との強いつながりを感じている人たちの間では特に、「ソラスタルジア」と呼ばれる恐怖感に悩まされる人が増えている。過去に自分がいた場所やそのころを恋しく思う「ノスタルジア」とは異なり、いまも昔と変わらずに故郷にいながら、そこで起きている変化に嘆き、悲しむ心理状態を指す言葉だ。 ソラスタルジアが呼び起こす感情には、次のようなものがある。 ・見慣れた風景が変化していくことに対する深い悲しみ ・環境の変化を止めたり、変化に影響を及ぼしたりすることができないことへの無力感 ・継続的な変化から受ける慢性的なストレスと、それによって現れる