市場では2006年6月以来約9年ぶりとなる米国の利上げに注目が集まっていたが、中国経済不安を契機とする世界同時株安の発生で「どうやら利上げは当分棚上げ」というムードに変わってきた。株価不安が一巡し8月の米国雇用統計が堅調であれば、またぞろ早期利上げ観測が強まる可能性もあるが、国内物価の動向や低迷する世界経済、そして不安定さを増す資本市場の状態を考えれば、FRBが利上げへの前傾姿勢を保ち続けるのは難しいだろう。 二度目のブラックマンデー 先週月曜日の株式市場は、まさに「二度目のブラックマンデー」と呼んでもよいほどのパニックであった。前週末の脆弱な地合いを受け継いで日経平均はほぼ900円の下落を演じ、上海株は8.5%下落して欧州株も軒並み急落、米国市場ではダウが寄り付き直後に1000ドルを超える暴落となった。パニックは為替市場にも及び、ドル円は116円台へ急落、ユーロドルは1.16ドルまで急騰