クリントン政権の対中政策を統括し、現在はUC San Diegoの教授として太平洋地域の国際関係を教える。 GNPが日本を抜き世界2位となり、名実ともにグローバルの大国となった中国の外交と内政の複雑な関係を紐解く良書である。特に、アメリカ、日本、台湾といったカギとなる国との関係で語っている。歯ごたえあり。 これを読むまでは、一見中国というのは経済成長を成功させ共産党一党独裁は盤石のように思えていた。対日デモなども、成功によるナショナリズムの高まりととらえていた。われながら浅はかであった。 人民解放軍のある将軍は、学生たちが外国に対してデモをするのは、国内的な不満を表現するためだと、率直に認めている(p.108) とあるとおり、力を持った市民たちは今の政府や共産党のあり方も脅かしている。まさに今、中東のジャスミン革命に伝染してくることを恐れているのはこれが理由なのだろう。 「私たちは、自分た