「天空の城」として知られる兵庫県朝来市の国史跡・竹田城跡。国宝・姫路城と並ぶ観光スポットだが、麓の城下町に山上のにぎわいが波及せず、伝統的な町並みは人影がまばらだ。これを打開し、観光客や住民を呼び込む起爆剤として、起業を目指す若者らが出店した商業施設が3月、オープンした。城跡ブームを点から線につなぐ集客拠点として注目される。(豊岡支局長 奥山正弘) 竹田城跡めぐりの玄関口、JR竹田駅前の旧街道。江戸時代は宿場町として栄え、旅館や料理店などが繁盛したが、今はかつてのにぎわいはない。年間約60万人の観光客を目当てに出店したり、改装したりした飲食店や土産物店は、期待した売り上げがなく、開店休業状態の店舗も。 城下町に観光客が滞留しないのは、町中と登山口を往復している「天空バス」が原因との見方がある。「バスがごっそりと観光客を持っていってしまう。店は閑古鳥が鳴いています」とある商店主は嘆く。さらに