“環境問題のウソ”のウソ 楽工社 1200円+税 発売中 図書館や新刊書店に行くたびに、僕はちょっぴり絶望的な気分になる。 ここには何十万冊という本がある。だが、自分が残りの一生で読めるのは、そのごく一部だ。1日1冊読んだとしても、30年で1万冊も読めればいいところではないか。もちろん、その30年間にさらに何百万冊という本が世に出るのだし、日本に訳されることのない本はさらにその何百倍もあるわけから……。 僕が人生のすべてを読書に費やしたとしても、全世界の本の0.01%も読むことはできない。全世界にあふれる情報の99.99%以上は、僕にとって未知のままだ。 僕は――いや、僕たちはみんな、世界についてほとんど何も知らない。 自分が環境問題の本を書くなんて夢にも思わなかった。 まえがきと第1章で述べたように、僕はもともとペットボトルリサイクルの問題に関心があったわけではない。武田邦彦