資本主義が優れていて「社会主義は最悪」という考えの危険性とは――。マルクス主義者の斎藤幸平が持論を展開します(写真:gan chaonan/PIXTA) 日本人は「社会主義」や「マルクス」という言葉に嫌悪感を示しがちだ。しかし、東京大学准教授の斎藤幸平氏によると、私たちは「社会主義は最悪だ」と思い込むことで、資本主義が地球環境や社会を破壊し尽くしていることに気づけなくなっているという。斎藤氏の最新刊『天才たちの未来予測図』より、「日本と世界が直面している危機」について紹介する。 私はマルクス主義者として、地球環境と社会を破壊し尽くそうとしている「資本主義」を乗り越え、もっと誰もが自由で、幸せに生きられるコミュニズムの可能性を考えようとしています。 本当に社会主義は最悪なのか? マルクスやコミュニズムに悪いイメージを持っている人も多いと思います。たとえば、私はTwitterのプロフィール欄に