シェアリングエコノミーで 「ネットワーク外部性」は本当に働くのか 入山:現在取り組まれている研究についても、教えていただけますか。 岩尾:研究プロジェクトは複数あるのですが、そのうちの一つでは、「シェアリングエコノミー企業において学習曲線効果がねじ曲がった形になる」ことを実証分析によって明らかにしています。学習曲線効果とは、累積生産量が積み重なっていくと単位当たりコストが下がっていくという現象を指しますが、シェアリングエコノミー企業では、この単位当たりコストが途中から上がったり下がったりする可能性があるのではないか、という研究です。 なぜかというと、シェアリングは新しい技術かつプラットフォームビジネスなので、最初は新しい技術に理解のあったITスキルの高い「良い」お客さんが利用します。けれども、売上が伸び、さらにその売上の累積も伸びていくと、徐々に客層は「普通」のお客さんになり、なかにはプラ