年金崩壊が政府の手によって進められている。厚生労働省は「納付率を高める」という目標を達成するために、何と「免除者数を増やせ」というとんでもない指示を出していた。どんな手口で年金制度を骨抜きにしているか、その現場を見ていく。 この春、都内に住む30代男性Aさんの自宅に、突然「その人」はやってきた。マンションのインターホンが鳴る。女性の声。 「年金のことでお話ししたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」 自営業のAさんは現在のマンションに引っ越してから2年弱、仕事が忙しくなったこともあって国民年金の保険料を支払っていなかった。きっとその件だろう。Aさんはすぐにピンと来たという。 玄関先で面会した60歳前後の普段着の女性は、手元のスマートフォンをちらちらと見ながら矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。 「あなたはAさん(フルネーム)ですね。えーと、生年月日は昭和○年×月×日で間違いないですね? こち