印刷 連呼なし、費用は倹約――。23日告示の岩手県大槌町議選に立候補を予定している18人全員に、選挙の戦い方を尋ねたところ、震災の影響を反映したこんな答えが返ってきた。13議席を争う激戦だが、今回はいつもとは勝手が違うようだ。 「連呼すれば逆効果」。ほとんどの立候補予定者が口をそろえる。選挙カーは11人が使う予定だが、「連呼するつもり」と答えたのは新顔の三浦諭氏(33)だけだ。同じく新顔の芳賀潤氏(46)が「様子を見て」。16人は「しない」。 18人の半数が家を被災し、金銭的にも苦しい。選挙にかける費用は11人が50万円以下だ。「掲示板のポスターだけで、後援会パンフレットも配らない」が4人いた。自宅以外に事務所を置くのも7人だけだ。現職らは「派手な選挙戦はしない」と申し合わせようとする動きもあった。ある前職は選挙費用を稼ぐため、東京に出稼ぎしたという。 家を流された野崎重太副議長(