夏目漱石の『彼岸過迄』は明治45年1月から朝日新聞に連載された。いくつかの短編を合わせて長編とした珍しい小説だが、このタイトルと中身とは関係がない。漱石が最初に書いている通り「彼岸過迄(すぎまで)書く予定だからそうなづけたまで」にすぎなかった。 ▼漱石にとってその1年半前、瀕死(ひんし)の大病を患った後の本格的執筆だった。いつまで書けるか不安もあったに違いない。そのため春分の日前後の春のお彼岸はちょうどいいメルクマールだったのだろう。実際はお彼岸を大分越えて4月29日まで書き続けている。 ▼漱石だけでなく日本人の季節感覚に、春秋のお彼岸は欠かせないものだ。暑さ、寒さもそうだが、かつての農村では、稲の種まきや収穫にあたる時期の目安でもあった。落語ファンにとっては秋のお彼岸の最中に亡くなった名人、古今亭志ん生も忘れられないだろう。 ▼15年前の地下鉄サリン事件は、その春のお彼岸の3月20日に起
多数の犠牲者を出した地下鉄サリン事件から、20日で15年がたった。オウム真理教(アレフに改称)によるわが国初の本格的テロ事件である。 しかし、年月がたつにつれて国民の危機意識は薄れがちだ。テロはいつどこで起きても不思議ではない。常に万全のテロ対策を進め、事件を風化させてはならないことを改めて肝に銘じたい。 平成7年3月20日の午前8時ごろ、東京都心を走る地下鉄日比谷線など5本の電車内で、カルト集団のオウム真理教の幹部らが一斉に猛毒のサリンを散布した。教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚の指示で、同教団に対する捜査の阻止などを狙った無差別殺傷テロだった。 麻原死刑囚ら教団の元幹部ら14人が起訴され、死刑7人、無期懲役4人が確定したが、まだ3人が上告中だ。死傷者数も警察庁の最近の調査では、死者13人を含む約6300人にのぼり、いまだに後遺症に苦しむ人が多い。 同教団の組織は内部対立から分裂
DNA型が一致したとして神奈川県警が今年初め、容疑者として逮捕状と家宅捜索令状を取った男性が、実際は事件とは無関係の別人と判明していたことが捜査関係者への取材でわかった。警察庁が管理するDNA型データベースに誤った情報が登録されていた。DNA型鑑定の精度は飛躍的に高まっているが、人為的とみられるミスが絡み、別人の逮捕状まで取る事態となった。 捜査関係者によると、横浜市旭区の飲食店で1月、女性がバッグを置き引きされる窃盗事件が発生。神奈川県警旭署は女性の証言をもとに犯人のものとみられる遺留物のDNA型鑑定をし、結果をデータベースで検索したところ、ある男性の型として登録されていることがわかった。 同署はこの結果や目撃情報などをもとに、窃盗容疑で男性の逮捕状と家宅捜索令状を取得。自宅を捜索したが、男性が容疑を否認し続けたため、逮捕はせずに署へ任意同行を求めた。 その後の調べでも犯人であると
ユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)首相(当時、2010年2月1日撮影)。(c)AFP/SERGEI SUPINSKY 【3月20日 AFP】ウクライナの「オレンジ革命(Orange Revolution)の姫」、ユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)前首相はついに政権の座を下りたが、ティモシェンコ氏の生霊が、首相官邸をいまだに徘徊しているという。 そう主張するのは新首相のミコラ・アザロフ(Mykola Azarov)氏。アザロフ首相は19日に首相官邸に神父を呼び、いまだに徘徊するティモシェンコ前首相の霊を追い払う儀式を行った。 アザロフ首相は東部ドニエプロペトロフスク(Dnipropetrovsk)で記者団に対し「呼吸が苦しかった」と語った。「エクソシズム(悪魔祓い)をしてもらい、ようやく呼吸も楽になった」という。ロシアのインタファクス(Inte
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