あなたは医療的ケア児の家族が置かれている状況を知っていますか? 本郷朋博 ウイングス医療的ケア児などのがんばる子どもと家族を支える会代表 福祉 #医療的ケア児#ウィングス はじめに 産科、小児科等の医療関係者の不断の努力により、日本の新生児・周産期医療は目覚ましく進歩・発展しました。その結果、出産時に妊産婦と新生児が死亡するケースは大きく減少し、妊産婦死亡率・新生児死亡率の低さは世界最高水準を維持しています(注1)。 出産時に限らず、医療の進歩により救われる命が増えた一方で、残ってしまった障害や疾患等により医療的ケアが必要な子ども、いわゆる「医療的ケア児」の数がこの10年で2倍以上(1.7万人以上)に急増したとの推計があります(注2)。医療的ケア児が急増した結果、社会の側に医療的ケア児と家族に対する支援体制が十分に整っていないため、さまざまな問題が発生しています。 本稿では、医療的ケア児と