この記事の3つのポイント 魚肉ソーセージの販売金額が過去3年間で最高値に 子供向けから大人の健康ニーズへシフトしたことで復活 戦前から始まる魚肉ソーセージ開発。紆余曲折(うよきょくせつ)の歴史も 小さい頃、お弁当のおかずやおやつとして大人気だった魚肉ソーセージ。大人になるにつれて食べる機会が減っていった人も多いのではないだろうか。そんな魚肉ソーセージが今、大人をターゲットにして復活しつつある。低脂質高たんぱく質であることから筋トレをする人や、常温保存可能なことから登山する人にもニーズが広がっている。 食品関連の情報を扱うKSP-SP(東京・港)のPOS(販売時点情報管理)データ「KSP-POS」によると、2024年3月の魚肉ハム・ソーセージの販売金額は3年間で最高値を記録した。新型コロナウイルス禍の買いだめ需要を差し引くと、過去5年間で最高値となる。魚肉ソーセージは春先と秋口に伸長する傾向
江崎グリコは4月3日に基幹システムの切り替え作業時にトラブルが発生し、物流センターにおける出荷データなどに不具合が生じた。同社製品のほか、江崎グリコが販売を請け負うキリンビバレッジの「トロピカーナ」なども出荷停止を余儀なくされている。障害発生から2カ月以上たってなお、主力商品の出荷を再開できない深刻な事態だ。 ユニ・チャームでも5月上旬に基幹システムを更新した後にトラブルが起こった。大規模な混乱にはならなかったが、公式通販サイトでは6月中旬時点で、紙おむつなどの到着に1週間~10日ほどかかる状況だ。ユニ・チャーム上席執行役員の上田健次ESG本部長はこの遅れについて、「小売店向けの出荷を優先して正常化させたため」と説明する。 3社のトラブルはともに基幹システムの障害を発端としたものだが、今後同様のトラブル事例が増える可能性は高い。日本独特の商習慣など複数の原因が絡み合い、システム刷新を難しく
この記事の3つのポイント 東京都心の高級住宅街にカワセミが生息している その背後には東京の地形と都市開発の経緯が潜む カワセミの「観察」を通して人の動きが見えてくる 『国道16号線:「日本」を創った道』の著者である東京工業大学教授の柳瀬博一氏は、編集Yの元同僚、かつ畏友です。彼の近著『カワセミ都市トーキョー』を読ませてもらって「これはビジネスパーソンの視野を広げる本でもあるな」と思い、「彼のものの見方、ノウハウを盗ませてもらおう」という下心も秘めつつ、インタビューに行ってきました。(編集Y) はいはい。「東京の都心部にカワセミが帰ってきている、なぜだ?」というところから始まって、それは単純に「自然が復活した」からではない、そもそも東京という都市の地形、水系、そして街づくりの結果なんだ、と解き明かすという。立て付けからしても面白いし、街歩きの面白さを倍加するガイドブックにもなる。 柳瀬:あり
高齢の農業従事者を中心に農業従事者が激減している日本の農業。その一方で10代、20代の就農者が増えているという。彼らを強力に支援しているのが、クボタなどの農業機械大手が推進しているスマート農業だ。専門家は素人でもスマート農業を活用することで「1年目でも70点は取れる」と指摘する。スマート農業は日本の農業の未来を切り開く切り札となるのか。 「日本の農業従事者は高齢者を中心に減っていますが、就農を目指す10代、20代といった若手は増えています。例えば、2015年に20~24歳は約6500人でしたが、20年には25~29歳が約1万1000人でした。この世代の農業従事者は5年間で約4500人増えていることになります」
ドラえもんをつくるために、人工知能(AI)の研究を続ける日本大学文理学部准教授の大澤正彦氏。ドラえもんづくりの仲間を増やすため、毎回ゲストとともに「一緒にドラえもんをつくるとしたら?」を語り合う。今回の対談相手は、俳優として活動する傍ら、AGRIKO(アグリコ/東京・世田谷)の代表として企業経営にも携わる小林涼子氏。前編では小林氏の起業家の側面に迫る。 大澤正彦氏(以下、大澤):大人になって初めてではないかと思うくらい今日は緊張しています(笑)。実は僕、2007年に小林さんのドラマを見たときから小林さんのファンで、中学生のときから好きな俳優を聞かれたらずっと「小林涼子さんです」と答えていたんですよ。ドラえもんはつくれば会えるという謎の自信がありましたが、小林さんはドラえもんより会えない人だと思っていました。 小林涼子氏(以下、小林):いや、ドラえもんのほうが会えないと思いますよ(笑)。でも
このリサイクルスポットは、大阪府大東市にある植田油脂という会社が昨年12月から実施している家庭系廃食油回収の拠点である。デニーズはこのプロジェクトのパートナーとなり、今年11月から大阪府内のデニーズ7店舗で廃食油回収を始めた。リサイクルスポットはスーパーや銀行など60カ所以上あるが、レストランで参加したのはデニーズが初めてだ。 廃食油は再生航空燃料(SAF)の原料の一つとして注目されている。これまで捨てられたり燃やされたりしていた廃食油からリサイクルするため、二酸化炭素(CO2)の排出量削減に貢献できる。日本の航空会社は、2030年時点で燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を打ち出している。このほか、廃食油はバイオ原料やインク溶剤などにリサイクルすることも可能だ。希少金属を含む廃棄物が「都市鉱山」と呼ばれるのと同様、廃食油は「都市油田」とも呼ばれ始めている。 家庭からの廃棄量は年間1
メニューの1番目「鰻(うな)重牛小鉢セット(2枚盛)」は税込み2338円。最も安い「鰻重・牛丼小盛セット」でも1837円だ。裏面に安価な単品の牛丼(並盛468円)なども掲載しているが、「おすすめ」には高単価なセットが並ぶ。 吉野家の広報担当者は「アジア圏の方はうな重やから揚げ、西欧圏の方は牛丼やシズル感がある牛すき鍋を好むように思われる。インバウンド対応のセットメニューは複数人でシェアして食べる方も多い」と説明する。 こうした訪日客の消費傾向を踏まえて「おすすめ」を決めているというわけだが、仮に2人でシェアして食べても客単価は1000円前後となる。訪日客のおすすめメニューの注文が増えれば客単価の上昇には確実に寄与するだろう。同社は「今後もインバウンド対応店舗や商品の検討を進めていく」としている。 「安いニッポン」そろそろ限界 円安が進み、訪日客はこれまで以上に「安いニッポン」を謳歌できる環
発達障害(神経発達症)などの精神疾患を脳の特性の違いと受け止め、尊重する考え方が注目され始めた。ニューロダイバーシティーとも呼ばれ、独創性や集中力など発達障害特有の能力に着目し、活用する。イノベーション人材としての期待が高まるが、パフォーマンスの最大化に向けた受け入れ体制は道半ばだ。 ■連載予定 ※内容や順番は予告なく変更する場合があります (1)発達障害の人、IT業界で活躍 オムロンは独創性・集中力に着目(今回) (2)入山章栄氏「脳の特性の違い、イノベーションの源泉に」 (3)産業医に聞く 発達障害を「戦力」にする上司の対応 時折会話の声が聞こえるオフィス。その片隅で、2台のモニターを前に集中して作業する若い男性がいた。耳栓をしているため、男性に周囲の音は入らない。ただ一心不乱に、プログラミング言語で書かれたソースコードが並ぶPC画面を見つめている。 ここは滋賀県草津市のオムロン草津事
インターネット上の意見に政府の圧力がかかるのは70カ国中53カ国、監視干渉行為をしない国は日本を含めてたった4カ国。ネット上の自由に迫る「影」は着々と広がり続けています。その実情とは。長年情報通信政策に携わり、現在は大手プロバイダーのIIJ副社長である谷脇康彦氏の著書『教養としてのインターネット論 世界の最先端を知る「10の論点」』から一部を抜粋して紹介します。 インターネットはどう生まれ、どう使われてきたか 1960年代のインターネット草創期。インターネットの普及は世界の人々の間で情報や知識を共有することを促し、透明で民主的な社会の実現に貢献するという期待が利用者の間に確かに存在していました。これはインターネットの基本精神である「自律・分散・協調」という面に依拠するものでした。 具体的には、インターネットを構成するルーターなどの機器は民間の人たちが「自律」的、つまり自由に設置・運用し、あ
自動運転にあたっては通常の自動車と同様に、農機も障害物を検知し、回避するシステムを搭載しなければならない。農地に収穫物のない状態で使われる田植え機やトラクターは先行して製品化が進んでいたが、収穫作業に使われるコンバインは、麦や稲などの収穫物とそれ以外の人や障害物などを見分ける機能が必要であることから、開発のハードルが他の農機より高かった。だが今夏、クボタは世界で初めての無人自動運転コンバインを発売すると発表した。発売は2024年1月の予定で、これにより農機の自動運転技術は大きく進歩する。 同社が今回開発した「アグリロボコンバインDRH1200A-A」には、レーザーセンサーやAIカメラが搭載されている。AIカメラは前後左右に4台搭載されており、農地内にいる人や車両、障害物を検知できるようになっている。自律走行で毎秒2.8メートルで進むが、障害物を検知すると6メートルの位置で警告音を鳴らし、3
東京都港区にあるチーズバーガー専門店「mosh Grab'nGo」(モッシュグラブアンドゴー)。「モスバーガー」を展開するモスフードサービスが2022年11月末に開業した新業態の1号店だ。バンズ(パン)からはみ出すチーズの存在感は、新鮮な野菜が売りのモスバーガーとは一線を画す。モスフードサービスの川辺壽也ストア事業本部副本部長は、「野菜を使わない商品を考えた結果、チーズバーガーに行き着いた」と語る。 モスバーガーのフランチャイズ加盟店の原価率は他のハンバーガーチェーンより高いとされる。その要因の1つが売りである野菜だ。野菜は「八百屋さんで売られているような、丸のままの状態で店舗に届く」(川辺氏)。例えばレタスなら、4度の冷水で1枚ずつ丁寧に洗い、手でちぎっている。こうした仕込みを1日に3回程度行っているため、従業員は朝から出勤している。食材や人件費にコストを割くためには、家賃が安い「二等地
哲学者で『嫌われる勇気』の著者である岸見一郎氏が、医師患者関係を解きほぐす最新刊『医師と患者は対等である』からの抜粋です。今回は第二章「薬を正しく使ってもらうために」から。医師に「これは強い薬ですか」という患者の思いについて考えます。 診療の中では、医師が患者に薬を処方する場面が多くあります。本章では、患者に適切に薬を服用してもらい、治療を進めていくために、医師が持つべき心構えについて考えます。 まずは、医師が患者に対して薬を処方する際、患者から「これは強い薬ですか」と訊かれた時に、どう対処すればいいか考えてみましょう。 「強い薬」という表現自体が漠然としたものです。薬の効果の強さなのか、副作用の程度なのか、それとも薬が効く期間が長いということなのか、この言葉を患者がどういう意味で使っているかは判然としません。 ただ、この問いが厄介なのは、「強い薬」という表現の多義性によるというよりは、こ
アスキー創業者で米マイクロソフト元副社長の西和彦氏が破産手続きを開始したことが明らかになった。西氏は新しい大学「日本先端工科大学(仮称)」の創設を目指していた。なぜ破産に至ったのか、西氏にその経緯や新大学の創設に対する影響などについて聞いた。 関連記事:「世界に通用する技術者育てる」大学を創設する西和彦氏の思い 第三者破産手続き開始を受けた経緯について、具体的に教えてください。 西和彦博士(情報学)・日本先端工科大学(仮称)設置準備委員会特別顧問(以下、西氏):今から5年ぐらい前、アスペクト(東京・台東、当時は神田駿河台)という総合出版社の社長が訪ねてこられ、「経営が良くないから出資してください」と頼まれたのです。結局、約3億円をアスペクトに出資しました。 3億円を出資したという事実を、当時のアスペクトの取引銀行である三菱UFJ銀行が知って、「(アスペクトに)貸しているお金を返してくれるか
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