令和6(2024)年2月6日作成 令和6(2024)年6月25日更新 (評価書がとりまとめられたことを受けて更新) 令和6(2024)年6月26日更新 (姫野誠一郎座長インタビュー掲載) 食品安全委員会では、「有機フッ素化合物(PFAS)」の健康影響について、令和6(2024)年6月25日に開催した第944回食品安全委員会において評価書をとりまとめました。 それを受けて評価書、Q&A(更新版)、パブリックコメント募集結果、評価書の概要、評価及びパブリックコメントの要点等を掲載しました。
PFAS(有機フッ素化合物)の食品健康影響評価が2024年6月25日、まとまりました。食品安全委員会が、自らの意思で評価を行うと決定し(自ら評価)、ワーキンググループ(以下、WG)を設置したのが23年2月。10人の専門委員と12人の専門参考人が、PFASに関する論文や各国政府機関の報告書など数百の文献に目を通し、計9回の会合で意見を述べ議論しました。姫野誠一郎座長が、全体像を把握しながら議論を促し評価をまとめあげました。 科学に基づき多岐にわたる項目を検討した緻密な評価です。それ故に、と言うべきか、一般の人たちにはその意味合いがわかりにくい面があるのもたしか。そこで、姫野座長からわかりやすく語っていただこう、とこのインタビューを企画しました。指標値の意味は? 発がん性は? 血液検査が必要なの? ずばり、お尋ねします。 (聞き手:松永和紀 委員) 姫野誠一郎座長 1985年〜2003年、北里
欧州において、以下の注意喚起が行われています。 「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されています。EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています。 (参考) 欧州連合(EU)、紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニンの基準値を設定 スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、紅麹を有効成分とするサプリメントを服用する前に必ず医師に相談するよう注意喚起
食品添加物に対する市民の関心は強く、さまざまな物質が話題になります。その中でも最近、関心が高まっているのが「二酸化チタン」です。世界各国で白色の着色料として広く使われてきましたが、欧州食品安全機関(EFSA)が2021年、「遺伝毒性の懸念を排除できない」と評価し、欧州連合(EU)で2022年、食品添加物としての使用が禁止されました。一方、英国やカナダ、オーストラリア・ニュージーランドは、EFSAの評価なども踏まえて検討しましたが、EFSAの見解を支持せず、これらの国では使われ続けています。また、二酸化チタンは、医薬品の添加剤としても使われており、EUも医薬品への使用は継続して認めています。 こうした世界の状況を受け、厚生労働省が科学者らに委託した調査や研究の内容について、2023年7月の厚生労働省食品衛生分科会食品添加物部会で審議されました。その結果について、2023年9月の内閣府食品安全
牛の病気、BSEは、BSEプリオンが原因 ヒツジ、シカなどのほかの動物種でも、プリオン病が発生している とくに、シカの病気、慢性消耗病 (CWD)が警戒されている 食品安全委員会は、牛以外のプリオン病についてもファクトシートをまとめたりするなどして、情報収集と発信に努めている 前編で、牛海綿状脳症(BSE)と変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)問題のこの30年あまりの経緯について説明しました。これらは、感染性を持つタンパク質様の病原体を意味する造語である「プリオン」に感染することで起きる病気で、総称して「プリオン病」と呼ばれています。 プリオン病はこれだけではありません。牛には、ここまで説明してきたBSE(「定型BSE」と呼ばれています)のほか、「非定型BSE」があります。また、牛やヒト以外のめん羊(ヒツジ)、シカ、ミンク、ネコなどの動物種でも見つかっています。近年、とくに世界で警
アミノ酸アスパラギンと還元糖(ブドウ糖や果糖など)を含む食材を揚げる、焼くなど120℃以上で加熱調理すると、生成する これらはごく一般的な栄養素なので、食材を加熱加工したさまざまな食品にアクリルアミドが含まれる 食品安全委員会は、遺伝毒性を有する発がん物質と判断 日本人の平均的な摂取量を調査推定し、2016年にまとめた評価書で「懸念がないとは言えない」と判断 事業者の低減策が進んでいる 「あなたの台所で発がん物質ができていますよ」 そう伝えると、多くの人が驚きます。でも、ほんとうの話。食品を高温や直火で加熱調理すると発がん物質ができます。その一つが、アクリルアミドです。 2002年ごろから注目されるようになり、当初はフライドポテトやポテトチップスなどがやり玉に挙げられ、「悪い食品」と言われたりしました。食品安全委員会は「加熱時に生じるアクリルアミド」について2011年から「自ら評価」を開始
トランス脂肪酸を多く食べると、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)の発症が増加する 日本人の推定平均摂取量は、総摂取エネルギー量の0.31%。WHOの勧告(目標)基準であるエネルギー比1%未満を下回り、通常の食生活では健康への影響は小さい マーガリンなどの含有量は、近年大きく下がっている 製品のトランス脂肪酸含有量を下げると、飽和脂肪酸が増える傾向がある。飽和脂肪酸も冠動脈疾患リスクを上げる 栄養バランスのよい食事が、トランス脂肪酸対策となる 危険、食べるプラスチック、日本は規制がなく野放し……。不安をかきたてる言葉がずらりと並びます。その多くが事実と異なり、科学的でない、と私は考えます。今、注意を強く向けるべきはトランス脂肪酸よりも飽和脂肪酸です。 内閣府食品安全委員会がトランス脂肪酸のリスクの大きさを検討し、今から11年前の2012年、評価書をまとめました。「日本人の平均的な摂取量では、
食品安全委員会は、食品の安全性に関して、食品健康影響評価事業等の推進に特に顕著な貢献をした方の功績を讃えるため、食品健康影響評価事業等功労者大臣表彰を実施しています。 令和4年4月20日(水)、内閣府において2021年度の表彰式が行われ、下記の3名の方が受賞されました。 佐藤 洋 氏(東北大学名誉教授) インタビュー記事はこちら 高橋 久仁子 氏(群馬大学名誉教授) インタビュー記事はこちら (※高橋氏の「高」は正しくは「はしごだか」で表記) 田村 豊 氏(酪農学園大学名誉教授) インタビュー記事はこちら 表彰式では若宮内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)から3名の受賞者に対し、「食品を巡るリスクも多様化する中で、科学的知見に基づき、客観的な立場で、中立公正に食品のリスク評価を行うことは、食品の安全の確保にとって極めて重要です。また、リスク評価の結果や食品の安全性について、正
令和4年1月14日公開 食品安全委員会は2021年10月28日、農薬をテーマに食品安全セミナー をオンライン開催しました。応募して参加した200人あまりの市民に対し、食品安全委員会のほか農林水産省、厚生労働省、環境省、消費者庁の担当者が説明しました。 参加者から事前に寄せられた質問や意見は約70に上り、一つずつにていねいに答えることはかないませんでした。そこで、食品安全委員会が担当する「食品健康影響評価」、つまり農薬のリスク評価に関して寄せられた質問や意見について、改めて農薬を担当する浅野哲委員から説明してもらうことにしました。今年7月に就任した浅野委員ですが、それまで11年間、農薬専門調査会の専門委員として評価に携わってきました。 食品安全委員会がどのような考え方に基づき公正な食品健康影響評価を目指しているか、知ってください(インタビュアー:松永和紀委員) 【松永】 農薬の再評価制度が今
肉はしっかりと加熱すると、菌やウイルスによる食中毒の心配はなくなります。でも、火を通しすぎた肉はパサパサでおいしくありません。だからと言って、やわらかくジューシーに仕上げようと加熱控えめにすると、今度は殺菌不十分、ウイルス不活化不十分に……。ローストビーフやサラダチキンなどを作る際には気を遣いますね。 近頃流行している「低温調理」レシピは、おいしさを追求するあまり、どうしても加熱不足になりがちです。そこで、食品安全委員会は2021年度委託調査事業を行い加熱により肉の温度や外見がどう変わるのか調べてもらいました。それを踏まえて、肉の加熱についての注意ポイントをまとめました。次の3つです。 低温調理をする際は、中心温度計等を用いて温度と時間の管理をしましょう。皆さんが思っている以上に、低温調理は時間がかかります。 肉の見た目では、食中毒を防ぐ安全な加熱をできたかどうか判断するのは不可能。自己流
食品安全委員会は、我が国の現状において、家きんの肉や卵を食べることにより、ヒトが鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性はないと考えています。この考え方には、次のような科学的な理由があります。 (1) 鳥インフルエンザウイルスは熱に弱く、WHO(世界保健機関)によると、ウイルスは適切な加熱により死滅するとされており、食品を十分に加熱調理して食べれば感染の心配はありません。 (2) 鳥インフルエンザウイルスは酸に弱く、ヒトの体内で胃酸等の消化液により死滅すると考えられています。 (3) 鳥インフルエンザウイルスが感染するための細胞表面の受け皿(受容体*)は、ヒトとトリとは異なることから、鳥インフルエンザウイルスはヒトの細胞表面の受け皿と結合しにくくなっています。 (注)*:ウイルスがヒトや動物に感染する際に最初に結合する細胞表面の分子。
食品安全委員会は、新型コロナウイルス感染症に関する国内外の公的機関の発表情報について注視し、食品安全に関する情報を提供しています。あわせてFacebook、ブログもご利用ください。 ■ 食品が感染経路となった科学的知見の報告はありません 一般的な状況における新型コロナウイルス感染症の感染経路は飛沫感染と接触感染の2つとされています。これまでに食品そのもの(生で喫食する野菜・果実や鮮魚介類を含む。)、食品の包装から新型コロナウイルス感染症に感染したという知見・情報は得られていません。(関連情報1、2、4、5、6、7、8) 食品を取り扱う方は、一般的な衛生管理をしっかり行っていれば心配する必要はありませんが、手洗いを徹底する、食品や食器に咳等の飛沫がかからないよう咳エチケットを実践するなど、引き続き衛生管理の励行をお願いします。 また、一般の家庭においても、食中毒や感染症を予防するために、手洗
平成28年4月21日 内閣府食品安全委員会事務局 食品を科学する―リスクアナリシス(分析)講座―の地方開催と参加者募集のお知らせ 食品安全委員会は、平成25年度より、「食品を科学する―リスクアナリシス(分析)講座―」と称して、食品の安全性について科学的に理解を深めることができる講座を行っています。 平成28年度は、下記のとおり、札幌、仙台、広島、福岡、大阪、京都、横浜、名古屋の8会場において本講座を実施します。講座テーマは、これまで行った講座の中から厳選してお話します。 食品の安全性について関心のある方であればどなたでも参加できます。たくさんの方のご応募を、心よりお待ちしております 。 記 1.開催場所、開催日時、会場、講演テーマ、講師、講座チラシ及び応募フォーム (1)札幌会場 日時:平成28年6月 2日(木) 会場:北農健保会館 大会議室 講演テーマ:あなどるなかれ食中毒 講師:食品
平成27年12月8日作成 食品安全委員会では、「健康食品」について、平成27年12月8日の第587回食品安全委員会において報告書及びメッセージをとりまとめました。 「若さと健康を願うあなたに」、「△△の健康のための○○」といったキャッチフレーズを、毎日たくさん見聞きします。そして、医薬品のようにカプセルや錠剤の形をしたサプリメント、「健康によい」成分を添加した飲料や食品など、さまざまな「健康食品」が売られています。今や国民のおよそ半分の方々が、こうした「健康食品」を利用されているという調査もあり、「健康食品」市場が拡大しています。これは、健康で長生きしたいという古来変わらない人々の願望の表れでしょう。 「健康食品」がこのような願いに応えるものならばよいですが、残念ながら、現代でも「これさえ摂れば、元気で長生きできる」という薬や食品はありません。それどころか逆に、「健康食品」で健康を害するこ
平成27年6月23日 内閣府食品安全委員会事務局 平成27年度「食品を科学する-リスクアナリシス(分析)連続講座-」 の開催と参加者募集のお知らせ 食品安全委員会は、平成27年度「食品を科学する―リスクアナリシス(分析)連続講座―」を、下記の要領で開催いたします。本講座では連続した講義を通じて、食品安全に関する科学的内容について体系的に理解を深めていただけるよう解説いたします。 食品の安全について御関心のある皆さまの、たくさんの御応募を、心よりお待ちしております。 記 1.開催日時: (1)開催日及び講義テーマ 第1回:平成27年7月23日(木): 誰もが食べている化学物質パート2〜微生物や酵素による化学反応〜 第2回:平成27年9月3日(木):食べ物のおいしさと安全・安心〜新鮮なものは本当に安全?〜 第3回:平成27年10月8日(木):あなどるなかれ食中毒〜腸管出血性大腸菌やカンピロ
食品の安全に関するリスクコミュニケーションのあり方に関する報告書について 平成27年5月28日 内閣府食品安全委員会事務局 食品安全委員会企画等専門調査会では、今後のより適切かつ効果的なリスクコミュニケーションを推進していくため、平成26年12月にワーキンググループを設置し、リスクコミュニケーションのあり方について検討を進めてきました。今般、同ワーキンググループにおける議論を報告書として取りまとめました。 「食品の安全に関するリスクコミュニケーションのあり方について」[PDF:1,112KB] ご意見・ご感想がございましたら以下のフォームよりお寄せください。(日本語に限らせていただきます。) http://www.fsc.go.jp/dial2/
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く