鳩山由紀夫氏の野望がとてもスケールの大きなものであることは誰も疑いようがない。今年8月の総選挙で民主党が歴史的な大勝利を収め、初めての所信表明演説に臨んだ首相は、東アジアをリードする民主主義国であり世界第2位の経済規模を誇る日本を大きく変革したいとぶち上げた。 日本の政界では指折りの名家の出身である鳩山首相は、満員の衆議院本会議場で次のように語りかけた。鳩山内閣が取り組むのは、封建制度を廃し、近代日本の基礎を築いた1868年の明治維新に匹敵する変革である。 「今日の維新は、官僚依存から、国民への大政奉還であり、中央集権から地域・現場主権へ、島国から開かれた海洋国家への、国の形の変革の試みです」 首相は単に大風呂敷を広げたわけではない。民主党の地滑り的な大勝利により、半世紀にわたってほとんど破られることのなかった自民党支配は明らかに崩れ去った。数を大幅に減らした自民党議員は首相を不機嫌そうに