結論からいうと、四半世紀の間、ずっと横ばいに塩漬けされた日本の給与所得者の報酬水準は、今後も上がらない。それだけに、会社選びは重要である。筆者が取材した現場感覚としては、賃金が上がらない最大の問題は、社員に高い給料を払える成長産業がなさすぎる、少なすぎること。これが、第一にして最大の理由で、第二が、セーフティーネットと職業訓練(リスキル)の仕組みが弱すぎて、給料の安い仕事を辞めにくいこと、である。第三~第七は右記のとおりだが、主要な理由は上の2つである、というのが筆者の体感だ。 Digest 同一労働多重賃金の実態 分配と企業統治は主要な理由ではない 労組は一部産業のみ有効 成長産業と岩盤規制改革の失敗&封印 四半世紀も賃金横ばいな日本 重要な3つの順番 イタリア・スペイン・ポルトガル化 安定はあるが挑戦が難しい日本