法政大学教授(経済学)水野和夫さん この記事の写真をすべて見る 法政大学教授水野和夫氏は経済学者ケインズの言葉を借り「豊かにすること」はあくまで中間目標でその先に「明日のことを心配しなくていい社会」を目指さなくてはならないと主張する。水野氏を取材した朝日新聞社編集委員の原真人氏の新著『アベノミクスは何を殺したか 日本の知性13人との闘論』(朝日新書)から一部を抜粋、再編集し、いま必要な「新しい資本主義」について紹介する。 【グラフ】日本の相対的貧困率の推移はこちら * * * どんな資本主義が望ましいのか。そもそも資本主義や経済成長は私たちにとって必要不可欠なものか。この章では、そういう大きな問題意識をもって賢人たちの意見を聞いてみたい。まずは「資本主義は終焉した」と喝破する経済学者、水野和夫の話を聞く。 数百年レベルの歴史軸のなかでアベノミクスはどう位置づけられる政策なのか。いま起き