東京農業大学バイオセラピー学科(神奈川県厚木市船子)の三井裕樹准教授(33)と種苗会社などの研究グループが、ダイコンの全ゲノム配列の解明と遺伝子情報データベースの構築に成功し、ダイコンを太らせる遺伝子を発見した。 品種改良への応用が期待できる研究成果で、三井准教授は「量産化などにつなげ、ダイコンが幅広く使われる和食文化にも貢献できれば」と話している。 アブラナ科の一年草であるダイコンは世界中で栽培され、特に日本では古くから生産が盛ん。和食にも幅広く取り入れられているが、分子遺伝子学研究はあまり進んでいなかった。箱根駅伝の沿道応援などで披露する「大根踊り」で有名な東京農大でもこれまで、研究は限定的だったという。 三井准教授は京都大大学院で、全国の海岸に生育する野生ダイコンを専門に研究していた。4年前、東京農大の先端研究プロジェクトに応募し、「ダイコンの肥大化に作用する遺伝子の研究」が採用され