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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (11)

  • どうすれば相手の意見を変えられるのか──『エビデンスを嫌う人たち: 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』 - 基本読書

    エビデンスを嫌う人たち: 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか? 作者:リー・マッキンタイア国書刊行会Amazonこの『エビデンスを嫌う人たち』は、『「科学的に正しい」とは何か』の邦訳が先日刊行された気鋭の哲学者リー・マッキンタイアによる「科学否定論者を説得するための方法」についての一冊である。科学否定論者とは、たとえば人為的な気候変動は起こっていないと主張する気候変動否定者に、反ワクチン、反コロナ、果てには地球は平面だと主張する地球平面説を支持している人らのことを指している。 こうした科学否定論者に共通点は存在するのか。また、彼らにエビデンスを提供することでその考えを変えることができるのか。エビデンスを提供するといっても、どのように提供するのが最も効果的なのか。エビデンスで人の意見が変えられないのだとしたら、他に変える方法はあるのかを、様々な研究をもとにして紹介する──だけでなく、

    どうすれば相手の意見を変えられるのか──『エビデンスを嫌う人たち: 科学否定論者は何を考え、どう説得できるのか?』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2024/06/20
    “自分のような少数の人間だけは世界の真実に気がついているというように、『マトリック』のネオの如く、地球平面説が自分を特別な存在に変えてくれる”
  • なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - 基本読書

    悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか? 作者:サイモン・マッカーシー=ジョーンズインターシフトAmazon最近、仕事中のほとんどの時間は何らかのゲーム配信(最近はLeague of Legends)を垂れ流していることが多い。人気のストリーマーは数千、数万といった視聴者を集める。そうすると、一人用ゲームではない対戦系ゲームを配信で行っている配信者は、少なからぬ「嫌がらせ」行為に遭遇するものだ。 たとえば、配信者がゲームのマッチングを開始したのにタイミングを合わせてマッチング開始し、配信者とマッチングしたらその試合で通常ありえないえないゲームプレイをして負けに導いたり、挑発行為を繰り返したり、Apexのようなバトロワなら配信を見て位置を把握し集中攻撃をかけたりが行われるのである。 そうした悪意あるプレイヤーが、なぜ、自分にとってたいして利益があるようにも思えない悪意あ

    なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2023/01/26
    他人を出し抜きたい人たち。自分の外の出来事で幸せを評価する人はなかなか大変そうな気がする。
  • 「幸せ」を追求するのはいいことなのか?──『ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常』 - 基本読書

    ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常 作者:エドガー・カバナス,エヴァ・イルーズ,山田陽子みすず書房Amazon「幸せ」であることは、良いものであるように思える。なぜなら、幸せは良いものだからだ。トートロジーだが、こう考える人は多いだろう(僕もそう思っていた)。 書は、そうした幸せであることは無条件に良いものである、とする幸せへの理解が、適切ではない形で広まった結果として、結果的に我々を縛るものになってしまっている、と批判的に検証していくである。著者はスペインにある大学の心理学教授であるエドガー・カバナスと、ヘブライ大学の社会学教授であるエヴァ・イルーズの二人。その性質上、欧米を中心に流行しているポジティブ心理学への批判が中心であり、日の「幸せ」の受け入れられ方とは異なる面もあるのだが、「幸せ」産業の発展はグローバルで進行しているものだから、関係がないわけではもちろんない

    「幸せ」を追求するのはいいことなのか?──『ハッピークラシー――「幸せ」願望に支配される日常』 - 基本読書
  • あなたの給料はなぜその額なのか?──『給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く』 - 基本読書

    給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く 作者:ジェイク・ローゼンフェルドみすず書房Amazon自分が毎月いくらもらえるのかは、日・世界経済がどうこうよりもよほど重要な目先のテーマである。だが、それ=給料はどうやって決定されているのか。真っ先に思いつくのは職種や立場だろう。大企業のCEOマクドナルドのバイトよりも稼げるのは間違いない。介護職の大半よりプログラマの方が稼いでいるだろう。そうした立場・職種に加え、個人の成果でも給料は変化する、すべきだと信じられている。 しかし、それはどこまで当か? 個人の成果はどれほど給料に関係しているのか? 介護職が重要不可欠で需要もあるのに賃金が上がらないのはなぜなのか? 1960年代にアメリカの一般的な経営トップは一般労働者の20倍稼いでいたのが、21世紀に入ると224倍から271倍も稼ぐようになったのはなぜなのか? それは当に

    あなたの給料はなぜその額なのか?──『給料はあなたの価値なのか――賃金と経済にまつわる神話を解く』 - 基本読書
  • ほとんどの人は本質的に善良であると、強力に性善説を推し進める一冊──『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』 - 基本読書

    Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 (文春e-book) 作者:ルトガー・ブレグマン文藝春秋Amazonこの『Humankind』は、オランダで25万部以上の部数を重ね、『サピエンス全史』のハラリにも絶賛され対談をし、ピケティに次ぐ欧州の知性などと呼ばれる、オランダの若手寄りの(1988年生まれ)作家、ルトガー・ブレグマンの話題作である。 この、書名だけだと胡散臭い宗教書にしか見えず、話題書というだけで手にとったのだけど、展開しているのはなかなか過激な主張だ。それは、『ほとんどの人は質的にかなり善良だ』というもので、ほとんどの人とかかなりとかちょっと微妙な修飾語がついていてそこはかとなく不安にさせるが、書はなぜそんなことが主張できるのかを、さまざまな実験・研究・歴史の事例から見ていくことになる。 それが過激な主張と思えるのは、人間が質的に善良とは

    ほとんどの人は本質的に善良であると、強力に性善説を推し進める一冊──『Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2021/08/08
    個人的には経済活動を見る限り、手放しに性善説はありえないと思ってる。捨てたもんじゃないよね、とも思うけども。
  • 壊れた民主主義を立て直すことはできるのか──『民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー』 - 基本読書

    民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー 作者:デイヴィッド・ランシマン発売日: 2020/10/27メディア: 単行(ソフトカバー)民主主義が現状まったく無問題に世界中で運用されている、と思う人はそうそういないだろう。民主主義は壊れつつある。あるいは壊れながらも運用されている。民意は反映されず、あるいはおかしな民意に突き動かされて暴走する。議会民主政、司法の独立、報道の自由など、民主主義を成り立たせる重要なパーツも、十全に機能しているケースは稀で、たいていの場合はどこか、あるいはすべてに問題を抱えている。 とはいえ、これまで民主主義は大きな利益を与えてくれていた。最高の制度ではないにせよ、他の制度と比べた場合に、最悪の事態は避けられる。民主主義は、壊れつつあるにしても今のところかなりマシな選択肢だ。書『民主主義の壊れ方』は、クーデタ、大惨事、テクノロジーと三種類の「民主主義の

    壊れた民主主義を立て直すことはできるのか──『民主主義の壊れ方:クーデタ・大惨事・テクノロジー』 - 基本読書
  • なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書

    ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド・グレーバー発売日: 2020/07/30メディア: 単行この『ブルシット・ジョブ』は、文化人類学者であるデヴィッド・グレーバーによる「クソどうでもいい仕事」についての理論である。「クソどうでもいい仕事」とはなにかといえば、文字通りとしかいいようがないのだけれども、「その仕事に従事している人がいなくなっても誰も何も困らないような無意味な仕事」のことである。 原書で刊行された時から日でも大変に話題になっていた一冊で、楽しみに読み始めたのだけど、これがとにかくおもしろい! 確かに世の中にはブルシット・ジョブとしか言いようがないくだらない仕事が溢れているように見える。それがどれほどありふれているのか、またどのようなタイプのブルシット・ジョブが存在するのか。また、仮にこれが近年さらに増大を続けているとしたら、それはなぜなのか。そ

    なぜ、無意味な仕事ばかり増えているのか?──『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2020/08/10
    そんな“ブルシット・ジョブ”を産み出す余力さえなくなってきているように思う。
  • 役に立たないとは言うものの、これほど役に立つ本はない──『ハウ・トゥー:バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』 - 基本読書

    ハウ・トゥー バカバカしくて役に立たない暮らしの科学 作者:ランドール マンロー出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2020/01/23メディア: Kindle版この『ハウ・トゥー』は、「太陽の光が突然消えたら、地球はどうなる?」「アメリカを完全な廃墟にするには何発の核ミサイルを打ち込む必要がある?」「野球のボールを光速で投げたら?」など、日常生活では絶対に起こり得ない状況にたいする質問に、物理学的にどのような解がありえるのかを真面目に考察しイラスト漫画に仕立て上げた『ホワット・イフ?』の著者ランドール・マンローの最新作である。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 電子レンジや宇宙ステーション、カメラなどの身近なものから遠いものまで、この世に存在する構築物がどのような仕組みで成り立っているのかを詳細なイラストと文章で図解した『ホワット・イズ・ディス?』など、元NA

    役に立たないとは言うものの、これほど役に立つ本はない──『ハウ・トゥー:バカバカしくて役に立たない暮らしの科学』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2020/01/26
    “光の速さでケツからうんこ出したらどうなるの?”的な。
  • 情動には客観的な指標は存在しない──『情動はこうしてつくられる 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』 - 基本読書

    情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 作者:リサ・フェルドマン・バレット出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2019/11/11メディア: Kindle版怒り、悲しみ、苦しみ、驚きや幸福といった感情の動きは、どのような文化であっても普遍的なものに感じられる。たとえば、未開の部族みたいなものが仮にいたとしても、日人やアメリカ人と同じように怒っている人の顔をみれば怒っているとわかるし、口と目を大きく見開いていれば、驚いているとわかるはずだ(と思ってしまう)。 情動には客観的な指標は存在しない だが、近年の研究によって、情動には客観的な指標となりえるパターンは存在しないことがわかってきた。書は、脳は都度外界と反応し、特別なパターンを情動として「作り出しているのだ」とする、構成主義的情動理論についての一冊なのだけれども、構成主義的情動理論と対比して、そうした「情

    情動には客観的な指標は存在しない──『情動はこうしてつくられる 脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2019/12/11
    『ブレードランナー』のフォークトカンプフ検査を連想させる。アンドロイドが電気羊の夢を見るかどうかは、誰にもわからない。
  • 「思い通りにいかないこと」を前提として考える──『悲観する力』 - 基本読書

    悲観する力 (幻冬舎新書) 作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2019/01/30メディア: 新書この商品を含むブログを見る「悲観」についてのである。著者は作家の森博嗣氏。この書名を見た時、「ああ、これは(森氏が書くのに)ぴったりだなあ」と思ったが、それは氏がいつも不測の事態に備えて締切の半年前には原稿を上げるような人で、もう何年も前から「自分がいつか死ぬし、それは近日中の可能性もある」ということを常に意識し、書かれてきた「悲観的な」人であるからだ。実際、これだけ悲観的な人はなかなかいないだろう。 世間一般的に重要だと思われているのは、悲観よりかは楽観の方だと思う。未来は明るく、自分の前途には素晴らしい世界が待ち受けている、自分が今からやろうとしていることはきっとうまくいくだろうと完全に楽観的に考え、行動することができればそれは素晴らしいことなのかもしれない。受験生の前で

    「思い通りにいかないこと」を前提として考える──『悲観する力』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2019/02/07
    “「楽観」とは「考えない」ことだといえるだろう” / 以前から、とにかく楽観をヨシとする集団には疑問を持っていたのだが、その理由がよくわかった。
  • 脳が進化していくどのタイミングで神が現れたのか?──『神は、脳がつくった――200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源』 - 基本読書

    神は、脳がつくった 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源 作者: E.フラー・トリー,寺町朋子出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2018/09/27メディア: 単行この商品を含むブログを見る神は脳がつくったとはいうが、だいたいの感情や概念は脳が作っとるじゃろと思いながら読み始めたのだが、原題は『EVOLVING BRAINS, EMERGING GODS』。ようは「具体的に脳が進化していく過程でどの機能が追加された時に、神が出現したのか?」という、人間の認知能力の発展と脳の解剖学的機能のを追うサイエンスノンフィクションだった。神は主題ではあるが、取り扱われるのはそれだけではない。 認知能力が増大した5つの変化 書では主に、認知能力が増大した5つの重要な段階を中心に取り上げていくことになるが、最初に語られるのはヒト属のホモ・ハビリスである。彼らは230万年前から1

    脳が進化していくどのタイミングで神が現れたのか?──『神は、脳がつくった――200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源』 - 基本読書
    akanama
    akanama 2018/11/12
    昔NHKで「原人と旧人の違いは何か。原人と違い、旧人の亡骸には花が手向けてある。」といった趣旨の番組を見た記憶があって、いたく印象に残っている。
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