どれくらい猫が好きかというと、あきらかに路頭に迷っている子猫を見かけたらといったん通りすぎても、また戻って連れてきてしまう、そこそこ重症な部類だと思う。 保護した猫は数知れず、実家や友人をつてに猫のいる幸せをもはや強引に配達してきた。猫社界ではそこそこ噂になるレベルに達していると思うが「恩返し」的なものはまだもらった記憶がない。 今日書くのは今は亡き三毛女のメイのことだ。彼女はうちの前の山に姉妹で捨てられていた。推定3ヶ月弱ぐらいの大きさで、ふたりで住宅地をチョロチョロしていた。どんな町にも猫派は一定数いるもので、その猫たちもすぐに隣のおばさんのごはんにありついた。だがそのおばさんはこの猫たちを家の中に入れる気はないらしく、外でごはんを与えていた。 姉妹猫を夏頃から見かけるようになって、いつのまにか木枯らしが吹く季節になった。ある日、洗濯ものを干していたら、アッという間にとリビングに滑り込
