💠🎼お別れ written by ハシマミ 💠 「何事も皆前生の報いなのでしょうから、 根本的にいえば自分の罪なのです。 私のように官位を剥奪されるほどのことでなくても、 勅勘《ちょっかん》の者は 普通人と同じように生活していることは よろしくないとされるのは この国ばかりのことでもありません。 私などのは遠くへ追放するという条項もあるのですから、 このまま京におりましては なおなんらかの処罰を受けることと思われます。 冤罪《えんざい》であるという自信を持って 京に留まっていますことも朝廷へ済まない気がしますし、 今以上の厳罰にあわない先に、 自分から遠隔の地へ移ったほうがいいと思ったのです」 などと、こまごま源氏は語っていた。 大臣は昔の話をして、 院がどれだけ源氏を愛しておいでになったかと、 その例を引いて、 涙をおさえる直衣の袖を顔から離すことができないのである。 源氏も泣いて