人名用漢字の新字旧字の読者から「棗は人名用漢字じゃありませんよね?」と質問があった。どうもYahoo!知恵袋の回答を見て、不安になったらしい。もちろん、現時点で「棗」は常用漢字にも人名用漢字にも含まれていない。今年度中に改正予定の新しい常用漢字表にも、残念ながら含まれていない。ただ、平成16年の人名用漢字部会で、「棗」が人名用漢字の候補から落ちたのは、結構、不思議な理由だったりする。 人名用漢字部会では、当時最新の漢字コード規格JIS X 0213 (平成16年2月20日改正版)、平成12年3月に文化庁が書籍385誌に対しておこなった漢字出現頻度数調査、全国の出生届窓口で平成2年以降に不受理とされた漢字、の3つをもとに審議をおこなっていた。「棗」はJIS第2水準漢字で、出現頻度数47回、要望法務局数8で、平成16年5月28日の人名用漢字部会における事務局原案では、人名用漢字の追加候補となる