2009年10月18日 郷原(きょうげん)は徳の賊なり! 『論語』陽貨編第十三章に、「郷原(きょうげん)は徳の賊なり」という言葉が出てくる。このことについて、孟子が『孟子』尽心章句下第三十七章で、弟子の万章に詳しく教えを説いている。 万章が孟子に問う、「いったい、どんな人物ならば、郷原といってよいのでしょうか」と。孟子は答える、「彼らは、この世に生れたらこの世の人らしく暮らし、世間の人から評判さえよければそれでよいではないか、と言って自分の本心を覆い隠して、ひたすら世間に媚び諂う者、それがつまり郷原なのだ」と。万章はさらに尋ねる、「村中の人がみな謹直な人だと評判しており、また何を行っても慎み深く素直な人柄なのに、孔子が『徳の賊だ』と非難されたのはなぜでしょうか」。孟子はそれに対して、「この連中は非難しようにもとりあげて言うほどの欠点もなく、攻撃しようにも攻撃するほどの材料が見当たらない。そ