AFP通信などによると、アフリカ西部ナイジェリアで今月中旬以降、「謎の病気」により、19人が死亡する出来事が起き、社会不安が広がっている。現地で疫学調査を実施する世界保健機関(WHO)は20日、この原因について「メタノールに汚染された地場産のジン(蒸留酒)の消費との強い関連がみられる」との同国保健相の発言を発表し、沈静化に乗り出した。ただ、原因確定はまだという。 同国では昨年、エボラ出血熱で7人が死亡しており、「謎の病気」への人々の不安が高まっていた。 メタノールは有毒だが、密造酒の原料として広く使われ、近年ではインドや中国、アフリカなどで多くの犠牲者を出している。日本でも戦中戦後の物資が足りない時期にメタノール入りの酒が出回っており、漫画「サザエさん」の初期の作品でも「メチール」として紹介されたこともある。(ジュネーブ=松尾一郎)