2003年、OECDが世界41カ国の15歳を対象に学習到達度調査(PISA)を実施した。この結果、フィンランドは、科学、問題解決能力、数学、読解力の4分野においてトップを占めた。 なお、指標としてTIMSS調査がある。これは、IEA(国際教育到達度評価学会)が行っている国際数学・理科教育調査である。教科の学力や教科書内容の基本的な知識の習得度を重視するものだ。 一方、PISA調査は、上記4分野を測定、これらの知識を実生活で直面する課題にどの程度応用して活用できるかをみるものである。 TIMSS調査で、日本はPISAより高い水準に位置し、PISA調査では読解力以外でトップクラスとなっているが、フィンランドはそう高い水準にない。 いったいフィンランドの教育と日本の教育とは何が違うのか。 教育制度および過程 フィンランドの教育制度は、1970年代以降の教育改革によって、初級(1~6年次)と中級(