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ブックマーク / honz.jp (11)

  • 科学はいまだに法律に導入されない 『人を動かすルールをつくる──行動法学の冒険』 - HONZ

    作者: ベンヤミン・ファン・ロイ,アダム・ファイン 出版社: みすず書房 発売日: 2023/5/18 わたしたちは法律や条例などのルールに囲まれて生きている。そして、それらの多くがわたしたちを深刻な危害から守ってくれていることは間違いない。だがその一方で、何らかの理由でルールがうまく機能していない場合も少なくない。ほとんどのドライバーが守っていない、ある道路での速度制限。日々新たに報じられる、企業のコンプライアンス違反。では、そうした一部のルールがあまり守られないのはどうしてだろうか。 書はその問題に真正面から挑んだものである。ただし、その挑み方は従来のものとは異なる。書は、「どうして人はルールを守らないのか」と問うたりはしない。そうではなく、人に一定の行動傾向があることを前提として、「どうして法的ルールは人の行動を改善できないのか」と考えるのである。 わたしたちには一定の行動パター

    科学はいまだに法律に導入されない 『人を動かすルールをつくる──行動法学の冒険』 - HONZ
    allezvous
    allezvous 2023/06/28
    タイトルだけ見て疫学的証明の話かと思ったら違ったし、本文を途中まで読んで一般予防特別予防の目的刑論に科学はない!応報刑論大勝利!の話かと思ったら違った
  • 『世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史』グローバル経済を左右する地球環境のベースを正しく理解する - HONZ

    地球上の自然環境がそこに住む人々の生き方を決定する、という考え方がある。「環境決定論」と呼ばれる思想で、四季が織りなす大自然に囲まれてきた日人には比較的身近な見方でもある。 書はこうした立場から、地球の誕生からさまざまな変遷を経て人間がどのように現在に至ったかを克明に論じる。副題に「人類を決定づけた地球の歴史」とあるように、地質学・地理学・地球物理学を駆使して人類の進化をもたらした原因を探る。 具体的には、地球内部の構造、プレート(岩板)の運動、海洋の大循環、気候変動、鉱産資源の形成など、最先端の地球科学を解説しながら独自の文明論が展開される。確かに、日のようにプレートがぶつかる境界で育まれた文明の多くは、地震や噴火の激甚災害と切り離せない運命を持っている。 著者は新進気鋭の宇宙生物学者で、科学を分かりやすく伝える稀有の文才を併せ持つ。前著『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた

    『世界の起源 人類を決定づけた地球の歴史』グローバル経済を左右する地球環境のベースを正しく理解する - HONZ
    allezvous
    allezvous 2020/01/30
    都市鉱山使って東京オリンピックの金メダルを作るとか言い出したんだったな
  • 『ゆるカワ日本美術史』日本独自のアート - HONZ

    笑う埴輪の兵士。 相撲をとる蛙とウサギ。 シャボン玉を吹く金魚。 書に登場する作品は、とにかく可愛く、とにかくユルい。 アートの文脈をひもとくと、西洋では19世紀半ばのルネサンス以降、より実物に肉薄するリアリズムの追求が芸術の目標だった。ミケランジェロの彫刻は肉体をリアルに再現し、遠近法をふまえた絵画は実際の風景があるかのように見せた。そこからセザンヌやゴーギャンなど印象派の画家達が表れ、リアリズムに取って代わるものとしてモダンアートが生まれるようになる。 つまり欧米主体のアートヒストリーでは、ゆるくてかわいい文化は育たなかったことがわかる。一方、日文化はアニメや漫画などのエンタテインメントが豊富で、日はキャラクター天国とも呼ばれている。 書は縄文時代の土偶や埴輪など、中でも可愛らしい作品から、仏像や中世絵巻と近代絵画に至るまで、「ゆるカワ」美術作品にフォーカスした一冊だ。紹介さ

    『ゆるカワ日本美術史』日本独自のアート - HONZ
    allezvous
    allezvous 2019/05/08
    「ゆるカワ日本美術史」に該当する作品でぱっと思いつくのが、鳥獣人物戯画と東海道五十三次と北斎漫画しかなかった
  • お猫様にもっと奉仕するために、その歴史と生態を知る一冊──『猫はこうして地球を征服した 人の脳からインターネット、生態系まで』 - HONZ

    様にもっと奉仕するために、その歴史と生態を知る一冊──『はこうして地球を征服した 人の脳からインターネット、生態系まで』 先日のペットフード協会の発表によると、全国犬飼育実態調査で、調査開始以来、はじめてネコの推定飼育数が犬の数を上回ったという。人類の相棒は犬じゃなくてネコだった──というわけではないけれども、少なくともペットの王は今やネコに移り変わりつつあるといえるのではないだろうか。飼いやすいというのもあるが、ネットをみればネコの画像や動画はいつだって大流行で、あっという間に万を超える閲覧、再生数を叩き出し人間の心を鷲掴みにする。 いったいネコの何が人間をそこまで惹きつけるのだろうか。犬は狩りもすれば防犯にも役にたち、飼い主が苦しんでいれば寄り添って慰めてくれる。お座りだろうがお手だろうがちょちょいのちょい。一方、ネコはどうだ。お手ができるネコが現れれば奇跡のような扱いを受け、

    お猫様にもっと奉仕するために、その歴史と生態を知る一冊──『猫はこうして地球を征服した 人の脳からインターネット、生態系まで』 - HONZ
    allezvous
    allezvous 2018/01/06
    猫は見た目が9割(残りは鳴き声
  • 『裁判所の正体 法服を着た役人たち』司法への信頼がガラガラと…。 - HONZ

    凄いを読んでしまった。信じていた司法への信頼がガラガラと崩れていく。私はなんという国に暮らしているのだろう。 書は「文庫X」として大ヒットとなった『殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮文庫)の著者、清水潔が、元裁判官で『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(ともに講談社現代新書)の著者、瀬木比呂志との対談を希望したことで実現した。仕事柄、警察官や検察官、弁護士などと向き合うことが多い清水だが、裁判所や裁判官について何も知らないも同然であることに気づいたからだ。 法廷の壇上にたつ黒い法服姿の人はどんな人たちでどのくらいの報酬で、普通の日は何をしているのか。そんな俗物的興味とともに、なぜ刑事裁判の有罪率が99.9%なのか、なぜ民事裁判の国家賠償請求は原告が勝つことが難しいのか、何より『殺人犯はそこにいる』で清水が追及した真犯人が捕まらないのはどうしてかを瀬木にぶつけ

    『裁判所の正体 法服を着た役人たち』司法への信頼がガラガラと…。 - HONZ
    allezvous
    allezvous 2017/06/06
    福井地裁所長→名古屋家裁所長が左遷になる理屈が今いちよくわからんので誰か教えてくれないかな
  • まいったかっ!大阪にはこんなおもろい大学あるんやぞ『教えて! 学長先生-近大学長「常識破りの大学解体新書」』 - HONZ

    ため息が出た。大学人として、である。うまくいっている大学には、それだけの理由があるということがよくわかった。今をときめく近大、近畿大学のである。関西圏以外で近大の知名度と評価はどれくらいなのだろう。しかし、いまや、いくつもの指標で、押しも押されもせぬ日の私立大学の雄であることは間違いない。 少し前まで、近大のイメージといえば、ちょっと垢抜けしないバンカラというところだった。卒業生として思い浮かぶのは、元大関・朝潮太郎の高砂親方であり、浪速のロッキーの異名をとった赤井英和であったから、およそおわかりいただけるだろう。しかし、つんく♂率いるシャ乱Qが出だしたころから少しずつイメージがかわってきた。 今ではあたりまえになっているが、独自に新聞広告を出したり、駅にポスターを掲示したりするのを最初に始めた大学は近大だそうだ。いまや、毎年、近大のお正月の新聞広告や、電車で掲示される入試広告を見るの

    まいったかっ!大阪にはこんなおもろい大学あるんやぞ『教えて! 学長先生-近大学長「常識破りの大学解体新書」』 - HONZ
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    allezvous 2017/03/19
    大阪にはおもろい大学あるんやで
  • 人間らしさあふれる伝記 『ムハンマド─世界を変えた預言者の生涯』 - HONZ

    ムハンマド、あまりに人間らしさにあふれているではないか。といえば、不謹慎になるのだろうか。抜群に面白い伝記であった。イスラームの開祖、より正しくは、アラブにおける唯一神アッラーの言葉をつたえた預言者ムハンマドの伝記である。その啓示は、クルアーン(コーラン)としてムハンマドの死後20年たって公式に編纂され、聖典となった。いかにたくさんの人が、クルアーンの朗読に圧倒されてイスラームに改宗していったかに驚かされる。 クルアーンの内容の一部が紹介されているが、どこがそんなにすばらしいのかがわからない。当時のアラビア半島における社会状況もあるのだろうが、どうやら、それ以上にクルアーンの美しい響きが重要らしい。だから、クルアーンはアラビア語でないとダメなのだ。YouTubeで聞いてみると、意味がわからなくとも心地よい。砂漠のような環境で、美しい調べにのって語られる、住みよい社会を目指す教えというのは、

    人間らしさあふれる伝記 『ムハンマド─世界を変えた預言者の生涯』 - HONZ
    allezvous
    allezvous 2016/02/28
    こういうのもやっぱ厳格なイスラーム国家だと発禁になっちゃうのかなあ。
  • メルカトルからグーグルへ『世界地図が語る12の歴史物語』 - HONZ

    地図を見るのは楽しい。行ったことがある場所なら、あぁこんなだったと思いだせるし、行ったことがない場所なら、どんなところだろうかと想像力がかきたてられる。いまや、世界中、地図のないような場所はない。しかし、そんな時代になったのは、それほど昔のことではない。 古代バビロニアに始まり現代で終わる、地図についての物語集だ。それぞれの地図が作られた時代が語られ、その意味とインパクトが語られる。一つずつが含蓄あふれる物語になっているが、通して読むと、地図というものが、どのような目的でどのように作られてどのように利用されてきたのかが手に取るようにわかる。 最古の地図として紹介されているのは、イラクで出土した、紀元前700~500 年頃の古代バビロニアの粘土板である(序章)。そこに刻まれた楔形文字の内容から地図だと確定されているが、その絵柄だけだと地図とはわからないという程度の代物だ。それが、紀元前150

    メルカトルからグーグルへ『世界地図が語る12の歴史物語』 - HONZ
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    allezvous 2015/12/15
    「実体以上に大きく描かれたヨーロッパ大陸」ユニバーサル横メルカトル図法を使えば解決できる。MySQLはいらない。これはGoogleの入社試験を解くときだけ導入すれば良い
  • 『世界のしゃがみ方』-便所ナショナリズムをこえて - HONZ

    「小用も座ってしてください」。先日、親族宅でこのような張り紙を見て、怒りを爆発させた。なんで一般家庭にこんな張り紙があるんだ!馬鹿野郎、日男児は立ってするんだよ!女性や外国人が座ってしても、俺は立つぞ、立つんだ。 書を読むと、自分の認識が浅はかであったことを思い知る。立ってすることにこだわったことに対してではない。日男児でなくても、ついこの間まで、女性ですら街中で立ちションをしていたのだ。「立ちションする日人は公衆道徳が低い」と戦後真顔で論じられたこともあるらしいが、日人どころか英国人もロシア人も立ちションするのである。 書はロシア語圏の文学を専門にする著者が、ロシアで便器の使い方に悩んだことを端緒に世界を練り歩きトイレを比較考察した一冊だ。 我々はトイレの様式や使い方を時にナショナリズムとひもづけて論じてしまうが、立つか座るか和式(ユーラシア式)か洋式かと地域の関係性は非常に

    『世界のしゃがみ方』-便所ナショナリズムをこえて - HONZ
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    allezvous 2015/10/01
    ロシアって寒くて冬は便座に肌が張り付いちゃうからなんだろなあと思ったが、イタリアでも便座がなくて難儀したことを思い出した。あれなんなんだろ。
  • ホント!? 『反省させると犯罪者になります』 - HONZ

    犯罪者を反省させればさせるほど、累犯者が増える。それどころか、ちょっと悪いことをした人を反省させることを繰り返していけば、その家系からいずれ犯罪者が生まれるかもしれない、と著者は主張する。 うそだろ? とまず思う。しかし書を読み進めれば、多くの人が「体感」として腑に落ちるはずだ。 ポイントは「反省すると犯罪者になる」ではなく、「反省させると……」だということ。そしてその「反省させる」とは、具体的には、子どもの頃から(少なくとも私は)言われ続けた「言い訳するな! 反省しろ!」といった態度のことを指す。こういったシチュエーションでの「反省させる」には、必ずといっていいほど「言い訳するな」と「相手の気持ちになって考えろ」という言葉がセットになっているが、何よりこれがいけない、というのだ。 著者はLB指標の刑務所で更生支援をしている。HONZの読者ならおなじみの言葉かも知れないが、Lはlongの

    ホント!? 『反省させると犯罪者になります』 - HONZ
    allezvous
    allezvous 2013/06/04
    買う。/ただ、時々確信犯(本来の意味での)がいて、いくら喋っても自分は悪くないと言い続けるのが困る。
  • 『古代道路の謎』新刊超速レビュー - HONZ

    1995年、東京都国分寺市で長さ340mの幅12mの道路が発掘された。造られた時代は約1300年前の飛鳥時代。そして驚くべきことに、この巨大道路は寸分の狂いもなく一直線に造られていたのである。 その後の調査の結果、現在では、7世紀ごろには日中を張り巡らす巨大道路網が建設されていたことが判明している。東北から九州までの長さ約6300kmもの距離を、最大幅30mで敷設するというまさに巨大道路だ。田中角栄議員立法により実行された1966年の高速道路計画は6500kmであるから、それと同じ規模の距離をより幅広で建設していたことになる。 いったい誰がいつ何のためにそんな巨大プロジェクトを遂行したのか。驚くべきことに、これほど巨大プロジェクトにも関わらず、実はこの国家的規模の大規模事業がなされた理由はまだ正確に分かっていない。文献史料には何も記されていないのである。書はそんな「謎の巨大国家プロジェ

    『古代道路の謎』新刊超速レビュー - HONZ
    allezvous
    allezvous 2013/04/08
    300年以上維持できたのもすごい。
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