鶏レバーやささみの刺し身、たたきなど、鶏の生肉の提供を見直すように、厚生労働省がこの夏から飲食店に呼びかけている。激しい腹痛や下痢を引き起こす細菌「カンピロバクター」による食中毒を防ぐためだ。牛レバーや豚の生食は規制されているが、鶏は規制がなく、大規模な食中毒も起きている。9、10月も食中毒の発生が多く、引き続き注意が必要だ。 東京都内で半世紀続く焼き鳥店。男性会社員(39)が鶏刺しを楽しんでいた。「脂っぽくなくて大好物。食中毒も気になったことはない」。経営者は「刺し身やたたきは創業以来の人気メニュー。カンピロバクターには気をつけている」。 焼き鳥用とは別に、当日朝にさばかれた肉を仕入れる。かつては軽く湯通しだけだったが、牛生肉の食中毒が盛んに報道された後は表面が白くなるまでゆでている。卸業者からも「生食用ではない」と言われている。食中毒はこれまで起こしていないという。 厚労省は6月に全国