確認された六方晶ダイヤモンドの断片には、鉄の硫化鉱物であるトロイリ鉱(トロイライト)や、鉄ニッケル合金のテーナイトといった、もっと小さな含有物が含まれている。トロイリ鉱とテーナイトはいずれも隕石などの宇宙物質に含まれる典型的な鉱物で、断片にこれらの鉱物が組み合わさって含まれていれば、元は隕石だったことを示している。これとほぼ同じ鉱物がアリゾナ州に存在する衝突クレーター、バリンジャー・クレーターでも発見されている。 ツングースカ大爆発は、人間が記録しているなかで最大の隕石衝突だ。米国の研究者たちはツングースカ大爆発の破壊力がTNT火薬にして5メガトン相当だと推定している(広島に投下された原爆の数百倍にあたる)。ツングースカ大爆発をもたらした隕石は、ある角度で大気圏に突入した時に分裂したため、完全な状態で地表に到達した破片はほとんどなかった。シベリアの泥炭中で化石化していた残片がいずれも微小な